◆ 「シャパン・アズ・ナンバーワン」を成し遂げた、日本の企業文化 ◆
日本企業は世界的には特別な仕組みでした。他国の企業は「株主のもの」でしたが、日本企業は「従業員のため」に活動しました。
以前は、日本の会社には「社員の運動会」がありましたが、欧米では「個人の自由の制限だ」と反対の考えでした。
社員旅行や年功序列、そして「会社のために」などは西洋かぶれの知識人から激しく批判され、今ではほとんどの日本企業が株主の利益のための存在です。
従業員の多くが非正規で、同僚との和気あいあいとした職場、生涯の友人も消えました。
そして、「能力と強く結びついている賃金」になったのです。
「能力がある者が閥賃金」というのは一見すると良いように思いますが、日本の文化ではありません。日本以外の国は、「能力のある人が価値がある」と考えましたが、日本は「人間は誰でも同じような価値がある。能力のある人は少しだけ尊敬する」という「人の価値」について決定的な違いがあるからです。
現在のH本人の多くは欧米思想に影響されていますから、「若くても能力がある人は偉い」と考えていますが、ひと昔前までの日本人は「能力がある人を認めるのは良いが、人間の尊さは人柄の良さ、年齢なども重要だ」と考えていました。だから、会社に長く勤めた人を少し高く評価しても良いと思ったのです。
私は科学者ですから欧米の近代物理学に親しみを持っていますが、人間というものについてはけっして「能力があるから立派である」とは考えてはいません。私の経験ではむしろ、「頭が良かったり、能力が高い人は自分勝手」という認識を持っています。
lllの人は蒋敬して丁寧に接しますし、収人によらずその人の人格などを重視します。
「年功序列」や「一致団結して仕事をする」というかつての日本式の企業文化のほうが、「力が正義」の思想より持絨可能な社会を構築できるでしょう。
「多様性」のまやかし グローバリズムの危険性と持続性喪失の原理 武田邦彦 啓文社書房 令和6年刊より
R080730

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