第五章・いのちの時代 連載第百二十三話 東府中へ

Uncategorized

第五章・いのちの時代 連載第百二十三話 東府中へ

至誠の覚醒
第 五 章 ・ い の ち の 時 代
連載第百二十三話
東府中へ

特養は——彼にとって、福祉という、世界への、最良の、入り口だった。

後に、聞いたことが、ある。特養は、介護の、現場の中でも、いちばん、きつい、と。それは、彼自身、身をもって、知っていた。長い廊下を、走り、夜勤に、耐え、汚れ仕事を、こなし、いのちの、際に、立ち続けた。あの、六年ほどの、日々。楽では、なかった。けれど——現場の、基本を、体に、叩き込むには、これ以上の、場所は、なかった。

いちばん、きつい、ところで、鍛えられた。だから、その後、どんな、現場に、立っても、彼は、揺るがなかった。あの、特養で、働けたことは——今、思えば、幸せだった。

けれど、そこを、去るときが、来た。

経営の、トップとの、間に、さまざまな、問題が、あった。それに——そろそろ、違う、経験を、積みたい、という、思いも、あった。六十を、過ぎて、なお、彼は、新しいものを、求めていた。そして、自宅から、通いやすい、現場を、探していた。

そうして、見つけたのが——東府中の、ある、介護の、施設だった。

訪問介護、という、ジャンルだった。ただ、彼が、思い描いていた、ものとは、少し、違った。自転車で、一軒、一軒の、家を、訪ねて、回る——そういう、形では、なかった。利用者が、一つの、建物に、マンションのように、暮らし、その、それぞれの、部屋を、訪ねて、介護する。そういう、仕組みだった。ある意味、とても、効率の、よい、施設だった。

そして——これが、たまたまだったが、実に、素晴らしい、職場だった。

訪問介護、という、一般的な、言葉では、測れなかった。ここは、かなり、踏み込んだ、介護を、提供していた。昼間は、看護師が、常駐していた。だから、特養のように、介護職員が、吸引を、したり、経管栄養を、準備したり、ストーマを、交換したり——そうした、医療の、際の、仕事は、なかった。あの、ナースのいない夜の、緊張は、ここには、なかった。

ただ、一度だけ。誤嚥した、利用者さんに、彼が、吸引を、行い、急場を、しのいだことが、あった。特養で、叩き込まれた、あの技術が、ここでも、一度、いのちを、つないだ。

職員の、質も、高かった。利用者からは、温かく、しっかりとした、介護を、してくれる、と、お褒めの、言葉を、いただくような、組織だった。特養で、いのちの、際を、くぐってきた、彼の目にも、ここは、良い、現場だと、映った。

彼は、この、東府中の、施設で、約二年、働いた。

そして、その、二年で——多くの、貴重な、出会いと、体験を、積むことに、なる。

歳月を経た今、振り返って、思う。

いちばん、きつい、特養で、基本を、叩き込まれ、そして、質の、高い、東府中の、現場で、介護を、深めた。その、順番が、よかった。もし、逆だったら、彼は、これほど、力を、つけられなかったかもしれない。人生は、いつも、彼を、必要な、順番で、必要な、場所へ、運んだ。そして——この、東府中の、地には、もう一つ、彼を、待っていた、深い、縁が、あった。それは、まだ、彼自身も、知らない。この、東府中で、彼の、いのちの時代は、思いもよらぬ、円環を、閉じることに、なる。けれど、その話は、もう少し、先だ。

生かされて、今を、存在する。

いちばんきつい特養で基本を叩き込まれたのち、東府中の質の高い訪問介護の現場で、また新たな介護を深めていった、あの二年の日々を、今も、自分は、確かに、覚えている。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【無料】牧正人史式 姓名科学 解析システム

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

#牧正人史 #マシレ予測 #至誠の覚醒 #姓名科学

コメント

ハウスワークサービス多摩店をもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む

タイトルとURLをコピーしました