◆ 人類には 明るい未来が待っている ◆
近頃、将来に不安を感じ、心が落ち着かないという人が多いようです。そして現在、マスコミが不安増幅装置になっています。
例えば、「これから地球環境が悪化する」という報道に何度も接すると、視聴者や読者は「環境が悪くなる」と錯覚していくのです。
しかし実際に、空を見上げたら綺麗な青空が広がっており、海に行ってみたら穏やかな風景があり、水を飲めば美味しい…… どこにも環境問題は見当たりません。
「AIが発達すると、仕事がなくなってしまう」と心配している人も多いでしょう。
先日、タクシーに乗ったときに「武田先生、我々の仕事はもう私の代限りですか? 」と聞かれました。
確かに、本章の冒頭で示したように将来なくなってしまう職業がたくさんあります。ですが、心配はいりません。なぜなら、新しい職業が増えるからです。それは、歴史的に証明されています。
産業革命の時代、機械の導入によって失業の脅威にさらされた労働者が「ラッダイト運動 ※47(機械うちこわし運動)」を起こしました。この運動は、1811年から1817年頃、イギリス中・北部の織物工業地帯に起こった機械破壊運動です。
「筋肉」を使わなくなるということは人間はいらなくなってしまうのではないかと、まずその敵である機械を壊すという行動に出たのです。
ところが、それから時が経つにつれ人々は落ち着いてきました。それは、新しい仕事が生み出されたからです。
例えば、「サラリーマン」です。「筋肉」を追放したことによって、新たな職業が生み出されました。しかも今では、人手不足になっているくらい職業や職種などが細分化され、増え続けています。
科学の進歩というのは、必ず職業を増やすのです。それは人間社会自身がいろいろなことができるようになるからです。
AI革命で語学に関する節壁がかなり低くなりますから、訛もが気軽に海外へ行けるようになります。そうなれば、旅行業がかなり盛況になります。書籍関連も良い影響を受けます。現在は翻訳するためにはかなりの労力を要しますが、AIを利用すれば海外の小説や論文なども簡易に出版できるようになります。
そもそもAIは、人間そのものを追放したりはしません。なぜなら、それは人間社会から生み出されたものだからです。
また、自分はAIの進化についていけないのではないかと思うかもしれませんが、それは今は科学の進歩が未熟だからというだけです。科学の進歩が十分にあれば、高齢者でも、子どもでも誰でもAIを悠々と使いこなせるようになります。
だから過度に心配せず、「AI革命よ、早く来い」と楽しみにしていてください。
「頭脳追放」を行うことによって、人間自体いらなくなるのではないかという考えは捨てましょう。人間はそれほど簡単なものではなく、奥深いものです。
多様で、持続可能な社会がこれからやってきます。「人類が本当の価値を発揮する時代が来る」と、私は非常に明るく考えています。
※47 ラッダイト運動
機械打ちこわし運動とも呼ばれる、1811年から1817年頃、イギリス中・北部の織物工業地帯に起こった機械破壊運動。産業革命による低貨金化、失職、技能職の地位低下などの影響を受けた労働者階級が、資本家階級への抗議として工場の機械を破壊した。
「多様性」のまやかし グローバリズムの危険性と持続性喪失の原理 武田邦彦 啓文社書房 令和6年刊より
R080830

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