〇非ユダヤ宗教の破壊
我々が支配者となったならば、ユダヤの一神教以外のいかなる宗教の存在をも許さない。我々は神の選民であり、その神と我々の運命とは結び付いたものであるから、その運命は世界の運命と結び付いたものである。ゆえに我々はすべての信仰を破壊する。
そうすると一時は無宗教時代が出現するかも知れないが、それは過渡期であって我々の目的を妨害するものではない。むしろ後世子孫にモーセの宗教を模範として残すのに役立つのである。
ユダヤ教に関する我々の予言を彼らに諒解させ、ユダヤ教の堅忍性と善く考えられていることが他民族征服に至るのである。
〇ユダヤ教の秘密
我々はその点について神秘的な真理を見せる。その真理に一切の教訓的勢力が横たわっているのである。そこで我々はあらゆる機会において我々の有益な体制と過去のものとを比較論評した記事を公表する。
数世紀にわたる動乱の後に獲得した休息の有難味で、我々ユダヤの支配がいかに恩恵の大きいものであるかがわかるのである。ゴイムの政治が誤っていたことを鮮明な色で塗って見せ、その悪政に対する嫌悪の情をそそる。すると人民どもは有名な自由の権利などよりも、むしろ奴隷的でも安泰に暮らせる方を喜ぶのである。実に自由の権利というのは彼らを大いに苦しませ、生活の法を奪い、何も知らずに山師の群れに搾取せしめたのである。我々がゴイム政権を覆す際には彼らを推し進めて幾たびか無意味な政変を起こさせたから、彼らはもうこれに飽き飽きして我々の言うことに何でも我慢する方がましだということになる。
さもなければまた新たな騒動をしなければならぬのである。我々は特に何世紀の間有益なことはしないで、錯覚の社会改善を成して人類を苦しめたゴイム政権の、歴史上の過失をはっきり暴露する。
実際彼らの過去の政策は、改善などなさずに、人類生活の一般関係を悪化しただけである。だがそれがわからなかったのだ。我々の御用哲学者はゴイム宗教のあらゆる害毒を指摘するのであろうが、誰も本当の立場から我々の宗教を論議などしないであろう。なぜなら、我々ユダヤ人以外の何人もこれを根本的に知っていないからであり、また我々同族は決して秘密を裏切ることはないからである。
〇堕落文学の創設
いわゆる先進国のなかには、我々が偽文学、醜悪な文学、厭気の差す文学を創設した。我々は天下を取ってもしばらくの間はそれらの文学を奨励するであろう。それは我々の演説、我々の計画と、この醜態とのコントラスを際立たせるためである。
ゴイムを指導するために育て上げられた我々の賢者らは、演説、未来論、回想録、論説などを書いてやって、これにより人心に勢力を及ぼし、我々が押し付けようとする思想と知識との方に彼らを導く。
[定本]『シオンの議定書』四王天延孝原訳 天童竺丸補訳・解説 成甲書房