易の方法はいろいろありますが、ここで採用している方法(マーフィー法)では、卦のに出てくる数字は6、8、9の四つです。数字には昔からさまざまな意味があるとされてきましたが、ここでは6、8、9の数字にいかなる意味がこめられているかをマーフィー博士の思想をもとに簡単に解説しておきます。

6:この数字は顕在意識と潜在意識の調和を示している。聖善には「六日間仕事をして七日間は休息せよ」とあるが、この六というサイクルは古代中国の「六曜」思想にも見られ、ひとつの循環のサイクルとして重要である。ひとつの考え方として、六日働くとうことのほかに、潜在意識に考えを浸透させるのにかかる時間という見方もできる。

この考え方に立てば、潜在意識の活用には、労働と同じくらいの努力、忍耐が必要とうこととも受けとれる。また6(シックス)はセックスのシンボルとも解釈され、人間のび、繁栄の基本数字である。

7―7は聖数である。聖書の『創世記』には「神は第七日にその作業を終えられすべての作業が終わって休息された」とあるほか、聖書には第七時間、第七のびん、第七のランプ、第七の封印、七人の天使など、七はひんばんに使われている。マーフィー博士によれば、七は神との一体感を意味しているもので、欲望の受容につづく休息である。それは妊娠した女性にたとえられ、妊娠すれば注意深く行動し、欲望を抑制する。そう時期があって、子供は無事に出産する。潜在意識も同じでいつも活発に活動するのではなく、自己抑制と偉大な存在への信頼を心で確認する時間があってこそ、それは実現すいうのである。つまり7は静止、黙想、祈りの時である。

8:この数字は無限のシンボルである。マーフィー博士はキリスト教における唯一絶対神エホバの名を数字であらわしたのが8であるといっている。また「8」と書くと手の動きがリズミカルな交替によって描かれることを「動と反動、混乱と進化を暗示している」ともいっている。易もその基本になるのは八卦であり、この八卦が無限に変化、組み合わされて易経体系を形づくっていることからも、この数字がいかに大きな意味をているかがわかる。

9―9は完成、達成、実現、そして物事の終わりを意味している。この数字が示は頂点であり、それはまた再生、新たなる始まりをあらわしている。易において九はあり、それは八に変化をする。これは頂点をきわめ実現したことで終わりがきて、ままることを象徴している。易では六の陰も変化をする。六は労働であり、潜在意識の活動でもあるから、その結果として静止、安定の七へ変化するのもうなずけることである。つまり易の変数たる6と9は、安定と無限の数へと変化するのである。

 

「マーフィの易占い」J.マーフィ(昭和61年、産能大学出版部)