◆ 世界全体の所得と資産の不平等 ◆
ここから現代社会がどれくらいの格差があるか、どのような不平等さを持っているかを考察していきたいと思います。
本部をパリに置く也界不平等研究所が、世界的な格差の実態を調査した「世界不平等レポート(World Inequality Report 2022)」※23 を公表しました。この研究所は、欧米諸国の実績のある経済学者や社会学者(『21世紀の資本』の著者として知られるトマ・ピケティ※24 など)が集合しており、若手も多く参加しています。
このレポートでは、世界の成人人口(51 億人)を所得と富(資産)の分布で次のように区別しています。

下位(最貧層)=約50%/約25億人。中間(下位より多く、上位より少ない収人を得ている人々。いわゆる中閲眉)=約40%/約20億人、上位(裕福層)=約10% 約5億1700万人、最上位(超裕福層)=約1%/約5100万人。
階靡別の「所得」分布では、最もボリュームゾーンが多い下位(最貧層)の人々が手にする所得は全体のわずか8%。成人一人当たり年額2800ユーロ(約36万円)にすぎません。
これに対して、上位(裕福層)所得は全体の52%、さらに最上位(超裕福陪)の所得は全所得の19%を占めています。
そして「資産(富)」の分布では、差はさらに顕著となります。下位(最貧層)の人々が所有する資産はわずか2%で、中間層の資産は22%ですから、合わせても(人口の90%で)24%にしかなりません。このように人々の大半は、余裕資産をほとんど持っていないということになります。
そして、その余裕資産を潤沢に持っているのが、上位(裕福層)と最上位(超裕福層)の人々なのです。
これは、世界のどの国でもほとんど同じです(図8参照) 。
これが、「力が正義」の思想を基に「自由と平等」を実現しようした結果なのです。
※23 世界不平等研究所
世界全体や各国での長期間にわたる経済的不平等の動向を研究する民間機関。70カ国以上から100人を超える研究者が参加する「世界不平等データベース」をつくり、広範な情報を公開している。
※24 トマ・ピケティ
1971年生まれ。フランスの経済学者 歴史比較から考えた経済的不平等の専門家。2013年、格差と再分配の問題を考察した著書「21世紀の資本」を出版し有名となった。
「多様性」のまやかし グローバリズムの危険性と持続性喪失の原理 武田邦彦 啓文社書房 令和6年刊より
R080801

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