◆ ひずみの大きさと地震予知は別の話 ◆
地殻は硬い岩石でできていますが、日々動いているので、日本列島にひずみが増えていくのは間違いありません。
ひずみが増えていくと、そのひずみがどこかで割れて、別の地殻構造になって安定するということを繰り返しているのです。日本が一年間に有感地震だけで4000回起こるといわれるのはそのためです。
つまり、日本列島が少しずつ動いている限りは、必ず岩石にひずみが入り、そのひずみがが定期的に解消されるのです。地震がない国や地域というのは、地殻がほとんど動かず、何千年、何万年とひずみが溜まらないからです。
また、地震の大きさは、ひずみエネルギーの大きさによるものなので、地殻の中にその測定器を置けば、どのくらいの規模の地震が起きるかという予想ができます。
大きな地震が起きる可能性が高いのは、三陸沖や東海地域、いま問題になっている南海地域などであり、これは地震が起きたとしたら、ひずみエネルギーが大きいので大地震になるということを示しています。
しかしこれは地震の大きさだけであって、いつ起こるかということとは関係がありません。
「ひずみのエネルギーが大きければ、地震が起こりやすい」と思われるかもしれませんが、ひずみエネルギーが大きくても、岩盤が崩れていないということは、「岩盤がしっかりしているので、地震が起きにくい」とも考えられます。
つまり、ひずみエネルギーが蓄積していることと、地震がいつ起こるかということはまったく別の話です。ひずみエネルギーの大きさは、地震の大きさとは関係していますが、いつ起こるかということとは関係ないのです。
結論としては、日本では、「長い年月でみれば、必ず大きな地震が起きるが、それはいつ起こるかわからない」ということになります。
エネルギーが蓄積するのに時間がかかるので、大きな地震ほど頻繁には起こりません。2000~3000年に1回、
1000年に1回、何百年に1回、起こるということになります。
これまでの日本の大地震をみると、東日本大震災級のマグニチュード9は1000年に一度、関東大震災級のマグニチュード8は200~300年に一度起きています。
「多様性」のまやかし グローバリズムの危険性と持続性喪失の原理 武田邦彦 啓文社書房 令和6年刊より
R080714

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