連載:至誠の覚醒 第12話「只管打坐」

Uncategorized

連載:至誠の覚醒 第12話「只管打坐」

川和高校を出て、私は二度、受験に失敗した。
一年目は多摩市の自宅で一人で勉強した。机に向かっていた。しかし結果は全滅だった。
二年目、大塚にある予備校に通うことにした。
そこで出会ったのが、漢文の新城先生と、数学の篠田先生だった。
新城先生の漢詩の授業は、不思議な時間だった。千年以上前の言葉が、今の自分に直接届いてくる感覚があった。言葉というものは、時間を超えるのだと、初めて知った。
篠田先生の数学は、美しかった。
美しい、というのが正確な表現かどうかわからない。ただ、式が解けた瞬間に、何か大きなものの一部が見えた気がした。世界には、人間の感情とは無関係に成り立っている秩序がある。数学は、その秩序の断片を見せてくれる窓だった。
川和高校で英語の井上先生に「ONは接触だ」と教わったとき、私はある種の驚きを感じた。あの感覚に近いものが、篠田先生の授業にもあった。
本質を一言で言える人間が、本当の教師なのだと思う。
新城先生の授業で、私はある言葉に出会った。
「只管打坐」
道元の言葉だと先生は言った。ひたすら座る。ただそれだけをする。結果を求めず、余計なことを考えず、今この瞬間にすべてを注ぐ。
私はそれまで、何かのために勉強していた。大学に入るために。親に認められるために。何かを証明するために。
だが「只管」という二文字は、そういう計算を静かに否定した。ひたすら、とはどういうことか。目的を持たずにひたすらやる、ということが果たして可能なのか。その問いが頭から離れなかった。
その年、受けた大学のうち、たった一校だけ合格通知が届いた。早稲田大学商学部だった。
合格通知を手にしたとき、喜びより先に、あの二文字が浮かんだ。結果はついてきた。だが、それは結果を求めていたからではない気がした。
只管打坐。この言葉は今も、私の座右にある。
(つづく)R080321

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 制作者からのご案内
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
私たちは、何かに生かされて今を存在しています。
その意図を形にしたのが、このシステム群です。
どなたでも無料でお使いいただけます。

◆ あなたの名前に宿る数理を解析する
【無料】牧正人史式 姓名科学 解析システム
https://yymm77.github.io/seimei-kagaku/
一万例超の照合済み。12分野の運勢を瞬時に判定。

◆ 大切な行動の前に、方位を確認する
【無料】九星気学 方位判定システム
https://yymm77.github.io/seimei-kagaku/houigaku.html
年盤・月盤・日盤の三盤統合。高木彬光著を原典とする。
https://yymm77.github.io/seimei-kagaku/
◆ 迷いを断ち切る、三千年の叡智
https://yymm77.github.io/seimei-kagaku/iching.html
https://yymm77.github.io/seimei-kagaku/iching.html
64卦の示す言葉が、今この瞬間の指針を与えます。

◆ 制作者の半生を読む
【連載小説】至誠の覚醒(第21話まで公開中)
幾人もの師との出会いが、制作者の人生を形づくりました。
その先にあった、運命的な邂逅——。
https://yymm77.github.io/seimei-kagaku/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
📩 seimei.kagaku.maki@gmail.com
※ 各システムは原典に基づき継続改良中。結果は参考としてご活用ください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

コメント

ハウスワークサービス多摩店をもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む

タイトルとURLをコピーしました