◆ 先入観に気を付けて、科学的リテラシーを高める努力を ◆
また、2000年頃に問題になった壊境ホルモンは、特に女性が強い興味、関心を持ちました。
これはアメリカの研究者であるシーア・コルボーンが、環境ホルモン(※13)、つまり人間の作った新しい合成化合物により、オスがメス化したり、メスがオス化したりするということに気づき、科学データをもとに研究を行った結果、実際に環境ホルモンが、生物の生態を変化させ、人間の生殖機能にも影響を与えるという結果が観測できたというのです。
そして、その内容を綴った本を出版したところ大反響を呼びました。彼女は来日して講。演会を行うなど、一躍世間の注目を浴びました
しかし、数年の活動ののちにこの問題は、あっという間に消えてなくなりました。
なぜなら、いろいろな人が研究しても、環境ホルモンが見つからなかったからです。
日本でも危う<法律で規制する寸前の状態だったので、非常に大きな社会問題になりました。
このように、科学的な根拠がほとんどなくても、大きな環境問題になるということは現在でも続いています。
ここで気をつけなければならないことは「先入観」です。人は誰しも、最初に入ってきた情報を正しいとしてしまう脳の癖があります。
たとえ科学的に間違っていることでも、あとから訂正することはなかなか難しいのです。
こういった問題を解決するためには、やはり日頃から科学的なリテラシーを高めることが不可欠です。
そうすることで、私たちの生活をより快適に、安全にすることができるのです。
※13 環境ホルモン 正式名称を外国性内分泌攪乱物質という、環境中に存在する化学物質のうち、生体にホルモン作用を起こしたり、逆にホルモン作用を阻害するものを指す言葉。日本では1998年に環境庁が「内分泌樅乱作用を有すると疑われる化学物質」67物質をリストにしたが、研究の末ほとんどの物質が有意性がないことが示された。

シーア・コルボーン
1927-2014年。アメリカの環境活動家。1997年、共著である『奪われし未来』が日本でベストセラーに。2000年に、『「環境ホルモン」が人類や生物に及ぽす脅威を系統的な調査により明らか
にし、その危険性を警告した業績』としてプループラネット賞を受賞した。(写真はWikipediaより)
「多様性」のまやかし グローバリズムの危険性と持続性喪失の原理 武田邦彦 啓文社書房 令和6年刊より
R080705

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