ほかの「異常気象」類
●アメリカの竜巻
一九五○年以降に発生した竜巻の数や強さは、海洋大気庁NOAAの統計データでわかります(二〇一〇年までの結果は『神話』5章)。それを見る限り、過去七○年余のうちに竜巻の勢いが増した気配はありません。


二〇一○年一二月にアメリカを襲った竜巻は、計九○名の死者を出しました。南下した強い寒気のせいだといわれます。その際も温暖化を名指しする人はいましたが、通説が正しいなら温暖化は北極圏の寒気をむしろ弱めてきたはずなので、素人は首をひねるしかありません。
●土地の乾燥度
アメリカの地続き四八州につき、環境保護庁(EPA)が土地の乾燥度をグラフ化しています(二〇一五年までの結果は『狂騒曲』3章)★。ほかの指標あれこれと同様、これも「年ごとの上下動はありながら、はっきりしたトレンドなし」ですね。


米国48州の乾燥度1895-2015
●降水量
暮らしや農業に密着する降水量の測定は、各国の気象庁が続けています。どの国のデータにも、明確な傾向は見えません(たとえばイギリスは一八三○年から二〇〇年近く横ばいのまま)。日本では、雨が少なくてダムの水量が減るたび、識者が「温暖化」をつぶやいてきました。けれど国交省関東地方整備局が最近のホームページ上で、一九九四年以降ひどい水不足は起きていない、と明言しています。
以上をまとめると、CO2の大量排出が始まった二〇世紀の中期以降 、地球の気象に何か目立った変化が現れた証拠はないようです。むろん今後どうなるのかは読めませんが、少なくとも異変の類が起こる可能性は十分に低いでしょう。
「気候変動・脱炭素」14のウソ』渡辺正著(丸善出版株式会社)