はずみのある甘い声で司会をする、おなじみの高橋圭三アナウソサーのグラフで、独立のチャンスを調べてみましょう。
グラフは○R○W(職業環境性)と○S○U(職業感情性)の組合せグラフを用います。
図13を見て下さい。37歳から41歳にかけて、感情性(実棒)が急速に下降低迷しています。これは恐らく、長いアナウンサー生活における、スランプ期であったろうと推測できます。
環境(点線棒)の飛躍的な好転にともない、40歳でアナウンサー部の管理職になりました。しかし、感情性(実線棒)は低位を続け、気持の上でのスランプは抜けきってはいないといえます。
43歳になって、ようやく急上昇を示し、新しい意欲をもち始めたことを示しています。
それが36年10月のNHK退社につながりました。グラフは43歳から44歳にかけて、点線棒、実線棒ともに横ばいしています。特に、実線棒のやや下降は、気持の上での緊張を表わしています。高橋圭三プロダクション設立は37年4月です。この独立の時期こそ、点線棒も実線棒も過去の人生を通じて、最高位に向かって上昇しているときになります。
これほどの強い最盛期でなければ、なかなか独立できないのが脱サラの実状です。その後、47歳から点線棒、実線棒ともに急速な大降下を来たして、職業面の苦難期到来を示しています。
幾多のグラフ実例を調査している私は、このグラフの47歳から49歳にかけての2年余は大変苦労した時期でその間よく耐え忍んで再起されたものだと、惑心するとともに敬意を表します。独立した後の苦難を突破してこそ、真の経営者であり、独立成功の証しとなります。それができる人が脱サラの有資格者ともいえます。しかし、大成功者の職業転換期は、高橋圭三氏の場合と違っています。このグラフの33年の40歳のときか、43年の50歳のとき、つまり“陰きわまって陽転する”時期に、独立しています。
ただ、本書のグラフを見ない限り、よほど優れた先見性と決断力の持主でなければ、この時期を的確に発見することはできません。あなたが脱サラを目指しているならば、あなたのグラフをよく調べて、独立のチャンスを見つけて下さい。
『姓名(なまえ)』牧正人史著 青春出版社 昭和47年刊による