●相剋の作用
「相剋」とは、その行が内包する気が、相手の行の気を抑え込む作用のことを言う。
木は土を剋す。木が土を剋すことにより土を弱め、土は水を剋すことにより水を弱め、水は火を剋すことにより火を弱め、火が金を剋すことにより金を弱め、金が木を剋して木を弱める。
そして剋する側もその気を消耗する。これらの関係を「剋」という。剋の関係を次に図示しておく。
また、剋の関係においても、相生と同様に特殊な関係がある。
同じく、『星平會海全書』に掲載されている「論五行生剋制化各有所喜所害」から、この特殊な作用が解説されているところを抜粋すると、次のようになる。
木多金鋏/火多水沸/土多木折/金多火想/水多土流
《木が多いと金は欠ける/火が多いと水は沸く/土が多いと木は折れる/金が多いと火は熄(や)む/水が多いと土は流れる》
右の「木多金缺」とは、金は木を剋す関係にあるが、剋される側の木があまりにも強く、剋す側の金が弱い場合、金は木を剋すことはできず、欠けてしまうことがある、と言われているのである。これらの五行の関係も、あくまで特殊な状況のため、めったに見かけることはないが、実証的な妥当性はあるので、理解しておく必要があると言える。
「四柱推命学入門」小山内彰 (希林館)より