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坎(かん)は水、溢れて苦難あり

土を欠くと書いて坎(かん)という。

また、この卦を横にすると水という字になるところから、水をあらわす。さらに土を欠くのは穴でもあるので、陥るの意味があり、水あふれて苦難ありということになるわけです。

水はそのままでは形がなく、物に入れればどんな形にもなる。ここからわけのわからいもの、判断に苦しむものという意味も出てきます。

マーフィー博士はこれを「底の知れないもの」としました。

小さな器に入れてしまえば、飲み水にしかならない。ここに―つの限界がある。一方大量の水のエネルギーは山をも崩す。海の水もそうだが、これはほとんど無限といっていい。

あなたには二つの思考が同時にあらわれます。ある問題の解決策を得たいと必死に思う反面で、「もうどうしようもない」とあきらめている心もある。こういった矛盾をかかえこまなくてはならないのが炊(かん)です。

水は自然の属性から生命維持に必須のものであると同時に、命を奪うものでもある。ノアの箱舟の伝説では、一握りの人と動物を残して人間は根こそぎ水によってほろぼされているのです。マーフィー博士はこの卦に危険を見ています。

 

坎の持つ象徴語

〔概念〕水、土を欠く、陥る、はらむ、惑溺、流出、冷、底知れず、危険、理想、志

〔人間〕次男、法律家、教育者、科学者、医者、作家、盗人、多情な人、誘惑者

〔自然〕川、沼、池、湖

〔動物〕鼠、狐、馬、水中動物

〔身体〕腎臓、耳、生殖器

 

「マーフィの易占い」J.マーフィ(昭和61年、産能大学出版部)