不動産にからむ問題になってくると、二黒の星のいる方角がおおいに効力を発揮します。九紫の人は、直感力もすぐれ、社交性にも富んでいますから、仲介者的な仕事もけっして不適格ではありません。それだけに、自分で不動産投資をして利益をあげることとはべつに、他人の売買の仲介をして儲けるチャンスにもめぐまれますが、そのためには、こちらの吉方がおおいにブラスになるのです。もちろん、自分に余裕があって、直接投資をする楊合には、こちらの方角をねらえば、まずまちがいはありません。
急場の金策というような場合は、三碧の星のいる方角を選んでください。これならば、かなりの無理でも通りましょうが、言うまでもなく、後始末はきちんとしておくことがだいじです。
また、仕事の場合、こちらの方角の相手とうまく手を組んで拡張政策をとってゆくと、目に見えて繁昌してきます。忙しくなると同時に金まわりもよくなり、流動預金のほうもだんだん余裕ができてきます。ただ、こっちの方角からはいる金は、なかなか身につかないという欠点があります。ですから、この方角で儲けた金をつぎに述べる四緑の方角の銀行にあずけるというような方法で、その欠点をカバーしてください。
四緑の星のいる方角も、三碧の星のいる方角と似た性質があります。しかし、腰をすえた仕事によって、少し時間がかかっても、じっくり確実な利益をあげようというときなら、こちらの方角のほうがはるかにプラスになるでしょう。
たとえば同じセールスにしても、金額のあまりはらないものならば、三碧の星のいる方角のほうが話はかんたんにまとまりますが、そちらは結局、数でこなすということになるでしょう。金額のはるものならば、四緑の星のいる方角を選んだほうがちょっと手間はかかっても、一回の利益はずっと大きいということになってきます。
長期に大きくという金運なら、八白の吉方を使うのが最善です。この方角は、一生をかけての仕事を通じ て、大きく財運を作ってゆくために最善の吉方です。そのかわり、目先の急場の金策というような面では、ほとんど効果がありません。不動産の場合にも、この方角はたいへんブラスなのですが、これは売買によって利益をあげるというより、そこに家なり店なりをかまえて仕事をはじめ、第二次的な利益をあげてゆくという傾向が強いのです。

◎出典 「改定方位学入門」高木彬光著 カッパブックス及びブログ作者の収集データーによる◎