◎ 目標を捨て、行為自体を目的にして毎日を過ごしてみることを勧める ◎
大人になってそんなことができるだろうか?もちろんできる。ただ、大人になると周囲が見えるようになるので、錯覚するのだ。それでも自分の周りに見える幻想にとらわれず、行為に目標を置かず、行為が自分の得になることを考えない。できれば少し自分が損をすることに全力をあげる。そうすると毎日は輝き、心の底からファイトが沸いてくる。
人間とは不思議なものだ。自分が一番可愛いのに、自分のために行為をしても満足は得られない。人のための行為なら満足が得られる。
そして、行為そのものを目的にすると「失敗」がなくなる。大学で言えば、講義に出るということ自体が目的であって、単位を取ることが目的ではないので、失敗がないのだ。
単位は先生がつけるものであり、自分が取るものではない。自分は講義に出るという行為だけが目的である。
このような考え方は現代の日本の標準的な人生の考え方とかなり違う。だからこれを読んだ学生が、いくら頭が柔らかいと言っても、にわかには賛成しかねるだろう。でも、あなたがもした罪日がダルで辛かったら、是非、一ヶ月でもあなたがいま持っている目標を捨て、行為自体を目的にして毎日を過ごしてみることを勧める。
講義に出たらその講義の内容が自分にとって役に立つかどうかなどは考えない。講義に出席し、講義を聴くことに全力を注ぐ。単位などはその結果として米るものだから気にしない。そんな生活をしてみれば、あなたは確実にいままでには見えなかったものが見えるだろう。
(冒頭に「皆勤賞」という目標を書いた。小さい頃のこの目標はいまの自分の目標とは違う内容を持っていることを感じてもらいたい。また、もしあなたの目的が「行為」ならレポートは期限に関わらずすぐやってしまうだろう。だって、「レポートをすぐやる」という行為に目的をおけばよいのだから。そしてあなたがすぐレポートを書いても期限に間に合わないとすれば、それは期限を聞いても間に合わないのだ)
『武田邦彦の科学的人生論』飯塚書店刊より R081015

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