◆ 力による正義の西進による戦争の数々 ◆「多様性」のまやかし グローバリズムの危険性と持続性喪失の原理 武田邦彦 啓文社書房刊より

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◆ 力による正義の西進による戦争の数々 ◆

しかし、そうした侵略が文明人としてはあまり適切でないこと、また国際的な非難が予想されるということで、アメリカが世界進出していくときは必ず理由をつけるようになります。
例えば、前述した米西戦争でアメリカはカリブ海と太平洋の利権をスペインから奪取したのですが、そ
の発端となった米軍艦「メイン号」が爆沈された事件(メイン号事件※28)はアメリカの自作自演と言われています。
少なくとも、アメリカはこの事件を利用し、「スペイン=悪」という世論をつくり上げ、戦争に突入したのです。
さらにアメリカは西へ西へと進み、日本と激突します。1941年12月8日の真珠湾攻撃から始まる日米戦争は、アメリカの謀略が大きな要因です。アメリカは日本を攻撃する理由がないので、日本からアメリカを攻めさせることにしたのです。
大戦前まで日米間では貿易が盛んに行われ、日本は石油の約8割をアメリカから輸入していました。その状況下で、1941年8月1日にアメリカは日本に対する石油輸出の全面禁止を通告してきました。
その前からアメリカは鉄屑輸出をストップするなど日本に対して経済的な封鎖を強めてきましたが、これは一線を越えています。石油輸出の全面禁止は、宣戦布告に等しい行為です。日本としては、戦争に打って出るしかなくなります。
アメリカは「リメンバー・パールハーバー(真珠湾を忘れるな)」を叫び、「日本=悪」とし、正義のための戦争を仕組んだのです。

第二次世界大戦後も、アメリカの西への進出は続きます。
1960年代にベトナムを取ろうとした際にも攻撃の口実をつくります。
それが「トンキン湾事件※29」(1964年8月)です。
これは、北ベトナム沖のトンキン湾で北ベトナム軍の哨戒艇が米洵軍の駆逐艦に2発の魚雷を発射したとされる事件でしたが、後年「ニューヨーク・タイムズ」が軍事機密文書を入手し、事件の一部はアメリカ側が仕組んだものだったことを暴露しました。

それからもアメリカは、アフガニスタンに侵入し、中東に侵人します。いずれも必ず口実をつくって、他国を侵略することへの正当性を画策していたのです。

※28 メイン号事件
l898年2月15日にハバナ湾で発生した、アメリカ海軍の戦艦メイン号(USS Maine, ACR-1) が白人士官の上陸後に爆発・沈没し、266名の乗員を失った事故。この事故の原因は現在でもわかっていないものの、当時のアメリカメディアが「これはスベインの破壊工作だ」と主張し米西戦争が勃発した。

※29 トンキン湾事件
l964年8月、北ベトナム沖のトンキン湾で北ベトナム布の哨戒艇がアメリカ海軍の駆逐艦に2発の魚雷を発射したとされる事件。この事件をきっかけにアメリカが北爆を開始、本格的にベトナム戦争に介入することとなった。

「多様性」のまやかし グローバリズムの危険性と持続性喪失の原理 武田邦彦 啓文社書房 令和6年刊より
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