◆ 第四章 気候変動から 日本をどう防衛するか ◆「多様性」のまやかし グローバリズムの危険性と持続性喪失の原理 武田邦彦 啓文社書房より

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第四章 気候変動から 日本をどう防衛するか

日本のSDGs対策
①「海流の利用」

現在は地球が温暖化するという前提で対策をとっていますが、より深刻になるのは寒冷化です。したがって長期的に考えると、温暖化と寒冷化のどちらにも通じる対策をしていく必要があります。
日本の風土に合ったSDGS対策と気温のコントロールという大きな国家政策を実現していかなければなりません。

ここでは、これから日本がとるべきSDGS対策を3つ提案したいと思います。

① 海流の利用
② 都市の構造改良
③ 人口の自然減を利用した地方分散

1つ目は「海流の利用」。これは海洋性気候を利用した科学技術によって、気温を上げたり下げたりしようとするものです。
日本列島の海水はたえず動いていますが、決まった向きに流れるものを「海流」と言います。海流は、海水の温度によって「暖流」と「寒流」に分けられます。
日本周辺には4つの海流があります。暖流の「日本海流(黒潮)」と「対馬海流」、寒流の「リマン海流」と「千島海流(親潮)」です。
また、洵水面(表庖)の水温は、赤道付近で高く(約25~30℃)、北極や南極付近で低く(約2~3℃)なっています。その他の地域は季節によって広く変化します。
海水面の温度は地域差が大きいのですが、深海( 一般的には200m以深)の海域帯の水温は、だいたい2~4℃でほぼ一定となっています(水深3000m以深では水温は1.5℃程度で一定)。それが地球を循環しています。この熱量は膨大です。
空気と水を比較すると、熱容量(熱を保つ能力)が水は空気の3000倍以上あります。
したがって、水によって、空気の温度を制御できます。
例えば、風呂場の中をいくら温かくしても風呂の水は沸きませんが、風呂を沸かしてフタを開ければ風呂場の温度は高くなります。つまり、水の熱量を利用して、生活空間の温度をコントロールできるということです。
千葉県の勝浦市は1906年以降一度も35℃を超える「猛暑日」がなく、30℃を超える気温もわずか数日のみとなる関東随一の避暑地となっています。
勝浦の海はちょうど黒潮と親潮がぶつかる海域にあり、陸の近くで急激に深くなります。
南からの黒潮と北からの親潮が勝浦でぶつかり、下層の冷たい海水が持ち上げられる(沿岸湧昇)効果により、周辺より海面水温が低くなります。すると空気が冷やされ冷たい風となって陸地に届くので、涼しい気候になるのです。
一方、冬は黒潮の影響もあり、厳しい寒さにはなりにくく、年間を通して過ごしやすい地域の一つです。
また、ヨーロッパが亜寒帯にもかかわらず、人口密度が高くて文化が発達したのは、メキシコ暖流という非常に暖かい水が赤道付近からヨーロッパのほうに流れているからです。
日本列島の気温は、太平洋側を通る黒潮の温度にかなり影響を受けます。この温度が、25℃を超えると日本の夏の気温は相当高くなります。暖流である黒潮の流れを制御できれば、夏の気混も冬の気淵も同時にコントロールすることが可能です。

「多様性」のまやかし グローバリズムの危険性と持続性喪失の原理 武田邦彦 啓文社書房 令和6年刊より
R080719

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