◆ 人間を埋葬するようになったネアンデルタール人 ◆
このネアンデルタール人が、人間を埋葬する習慣を持ちました。膝を抱くような形で埋葬する、埋葬した人の横に花を手向ける、といったことも始めました。つまり、死ぬとはどういうことか、死んだらどうなるのか、といった疑問や、花を手向けて悼むという気持ちなど、現代の人間に近い心の動きを持つようになった、ということです。それは、人間以外の動物には見られない感情でした。
ネアンデルタール人とホモ・サピエンスは同時代を生きていましたが、5万年くらい前からホモ・サピエンスが優位になりました。3万6000年くらい前に、旧石器時代を迎えます。この時代の石器はあまり石に細工を施さず、細長い石に直接木を結わえて獲物をとったり木を斬ったりする程度のものでしたが、原始的なものとはいえ、それは立派に道具と言えるレベルのものでした。
当時から人類は集団生活をしていました。道具の使用とともに、集団生活は脳の発達を促します。
初期の人類は多くて10人くらいの集団だったと考えられます。これが1万年くらい前に1000人規模に膨れ上がります。この規模になると組織立った動きが出てきますし、人間同士の争いなども出てきます。宗教的なものや、心に安寧をもたらす、いわゆる芸術といったようなことが必要になってきます。
『かけがえのない国 誇り高き日本文明』武田邦彦著 MdN出版(R05年)より R080613

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