第41話 ロボット溶接の現場

行き詰まると、車体工場へ行った。
理由はなかった。気がつくと、足がそちらへ向いていた。
溶接ロボットが、黙々と動いていた。
アームが伸びる。火花が散る。また別の場所へ移動する。一切の迷いがなかった。疲れも、焦りも、迷いもなかった。ただ、与えられた仕事を、与えられた通りにやり続けていた。
何時間でも見ていられた。
車体工場の隅々まで歩いた。狭い隙間にも入り込んだ。ロボットのアームが届かないような場所まで、自分の目で確かめた。どういう順番で溶接が進むのか。どことどこが繋がっているのか。図面で見るのと、実際に見るのとでは、まるで違った。
鉄と鉄が溶け合う瞬間に、青白い光が走った。
その光を見ていると、頭の中が静かになった。数字のことも、組合のことも、うまくいかない計画のことも、少し遠くなった。
ロボットは何も言わなかった。だからよかった。
あの頃、私はまだロボットが何者なのかを知らなかった。ただ、その動きの中に、何か純粋なものを感じていた。それが何なのかは、長い時間をかけて、少しずつわかっていくことになる。

(つづく)R080419

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