◎ 日本政府が推進する「一億総家畜化計画」
一時、屋上庭園というのがはやったことがありますが、私にはさっぱりその意味がわかりませんでした。確かにビルの屋上を庭園にすれば、それだけ屋上から水分が蒸発しますので、都市の気温を下げることができますが、もともと昼でも電灯をつけなければ暗く、窓は密閉式で風も通らないような設計をしておいて、屋上だけ樹木を植えてもあまり意味がないのです。
この話は屋上緑化で一儲けしようという人たちの計画で、本当に快適な都市を作ろうという話ではないのです。
また、「緑」というのはそこに住んでいる人たちが毎日接しなければならないのであって、屋上に緑があり、毎日小学生が歩く道はアスファルトだけ、と言うのでは何のための都市計画なのかわからなくなります。
少し激しい言葉ですが、私は「現在の日本政府の政策は、まるで『一億総家畜化計画』と言ってもよい」と警告しています。
その意味をこの屋上緑化で解説しますと、本来人間は「心」で生きているものなので、接することができる「緑」がある生活が重要なのです。それなのに単に「気温が下がればよいから、屋上に庭園があってもよいだろう」というのは、家畜のような人間ならそれでも良いということに私には聞こえます。
最近、はやりの「一億総家畜化計画」は昼休みの消灯です。
温暖化防止に一役買おうと、この頃役所はもちろん、会社でも昼休みになると事務所の電気を消すところがあります。そんな暗い部屋の中で中年の男が背中を丸めて黙々と愛妻弁当を食べています。
部屋は暗くて新聞も読めません。そして彼には愛する家族がいて、家のローンもあります。昼だからといって外で食事をし、同僚とコーヒーを飲む余裕はないのです。それより家族、家族と彼は我慢します。
9時に始まった仕事は12時まで3時間、彼は一所懸命、会社のために仕事をします。でも、人間は「仕事のために食べる」のではありません。「食べるために仕事をする」のです。
会社の社長さんは「人間」を雇っているのであり、決して「仕事だけをする家畜」を飼っているのではないのです。
もしその社長さんが「人間としての社員」を大切にするのなら、昼休みになれば明るく電気をつけ、音楽をかけ、できればおしぽりぐらいは出して、「午前中はご苦労様。ゆっくり休んでください」と言うでしょう。
そんな人間味ある社長なら、社員は、午後も一所懸命働こうと思います。でも、もし家畜として扱うなら、人間としてのリベンジがあります。
午後1時に仕事が始まったら、一所懸命、仕事をしているフリをして最大限会社に迷惑をかける‥‥それが人間というものです。
家庭で行う正しいエコ生活』武田邦彦 平成21(2009)年 講談社刊より 20260303
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