私は先の拙書で、「日米両国民ともに、真珠湾は賜し討ちだったという程度の嘘は克服しなければならない」と書いたのですが、詳しくは触れることができませんでした。本書では、紙面が許す限りで述べたいと思います。 「あらゆる社会組織には道徳的基盤がある」( アンナ・ハレント女史 )と言うけれども、日本の太平洋での死闘には、当然に日本の「道徳的基礎」があります。それは、日本国民にこの戦いは余儀なき正義の戦闘なのだという確信があったから、壮絶な戦いになったのです。 アメリカ国民にとっては、真珠湾の瞬し討ちこそが卑劣なジャップ撃滅を支える道徳的基礎でした。日本の将兵の「鬼畜米英」撃滅のエネルギーは生存のための余儀なき正義の確信に発しています。だから、太平洋の戦いは壮絶なものと化していったのです。蝙し討ちしたジャップヘの反撃と「正義」を確信したアメリカの将兵が、必死の日本軍の戦いに接して、何かわけがあるのかと感じたのは当然です。日本国民は真珠湾攻撃が騙し討ちなどとは知らなかったからです。 真珠湾については第七章とします。 『続日本人が知ってはならない歴史』若狭和朋著(2007年)