男女ともに、日干に隣接して食傷や財がある場合は、行動的で交際範囲も広くなるため、おのずと異性と巡りあう機会が多いことになる。しかし、結婚相手に恵まれるかどうかは、大運と配偶者の定位である日の蔵干によって判断しなければならないことになる。
大遥も考慮して日干が強い場合は、日の蔵干に食係・財・官殺のいずれかがあれば、定位の視点からして、配偶者に恵まれると見ることになる。日干が弱の場合は、日の蔵干に印か比劫があっても同様に考えられることになる。しかし、日干が弱い場合、日の蔵干に食傷・財・官殺があり、かつ大運が味方しない場合は、なかなか結婚にまでいたらず、晩婚、あるいは独身相になりやすく、日干が強で日の蔵干に印とか比劫があるなら、たとえ結婚しても長く続かないようなことになりやすいと言える。もちろん、こうした結果を招くことになる原因は、基本的にはその人自身にあることになる。
また日の蔵干は、異性に求める容姿的な好みの傾向を示すことになる。例えば日の蔵干に金があるなら、金が示す良好な容姿的特徴が強く現われている異性が好みのタイプになることになる。ただし、日干に財が隣接している人の場合は、容姿の好みだけではない評価が伴うことになるため、日の蔵干が示すことは参考程度にしかならないことになる。
また、異性に限らず同性であっても、相手の命と運に、自身の命と運に不足している五行が多くあると馬が合うものである。これが相性がいいと見る―つの視点となる。
またお互いに日干が剋になる関係であることも同様の作用を発生する。例えば、日干甲木と、日干己土あるいは日干戊土の場合、木と土の剋の関係となるので、馬が合う一つの原因となる。
婚期は、男女のめぐり逢いが偶然の出来事であるため、四柱推命によってその時期を理論的に特定することは不可能な事象の部類に入る。また入籍の手続きをしたかどうかといった法的なことは四柱推命の関するところではないし、何をもって結婚したと考えていいのか不明確な点が伴うことも関わる。しかし、四柱推命によって間接的な視点からではあるが、婚期を推定することは可能ではある。
その一つの視点は、婚期は男性にとって良好な流年、女性にはよくない流年になることが多いことである。女性が社会に進出して経済力を持っても、いまだに結婚に関しては男性主導の面が残っているためと考えられる。
また、結婚することにより生活環境が大きく変わるとか、結婚の準備のため多忙を強いられることが、婚期を推定する手がかりになることがある。男女とも、適齢期と思われる時期の流年を見て、生活環境が大きく変わりそうな流年が結婚の年になる可能性が高いのである。
生活環境が変わるとか、多忙であるかは、印と官殺によって見ることになる。
◇印が必要であるのに不及する。逆に不要であるのに印が強くなる。
◇官殺が日干に対して不良な作用をおよぽす。
右のいずれかの状態になる流年は、必ず結婚するとは断定はできないが、多忙を強いられ、結婚のような大きな生活環境の変化が起きる可能性があると言えるのである。また、女性から相性を見てほしいという依頼を受けることがあるが、その際、相性は時間の経過とともに変化することを事前に理解していただくことにし ている。そして既婚の方であれば、すべてのご夫婦は結婚された時点ではほぽ例外なく相性がよかったも のと考えている。相性がよいから結婚したのである。しかし10年、20年と時間が経過すれば、お互いの大運の変化に伴い、相性が悪くなることもあるのである。
「四柱推命学入門」小山内彰 (希林館)より
https://meiwajuku.com/nsityu4/
http://www.shihei.com/shihei/calc/