次は昭和28年4月6日午前10時頃に新潟県で生まれた女性の四柱八字と大運である。

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日干丁火で辰月の木旺に生まれ、印が旺じ、月干に比劫の丙火があるが、年干は官殺であるため、旺は逆転して金旺となる。旺の逆転により日干は囚令になるが、丙火と乙木が隣接し、日干はやや強の部類に入ることになる。
平成7年(乙亥年42歳時)、縁があって命を拝見することになった。その当時この方はある宝石販売会社の外商をされていた。大運は財が旺じる庚申に入ったところである。日干が強で財が旺じる大運に巡る場合は独立ということが考えられる。流年は翌年丙子になり、比劫が天干に巡る。
だから、「近いうちに独立しようと考えていらっしゃるのでは」と言ったところ、その時は「とんでもない」という返事であった。しかし、それから半年ほど後、人伝に聞いた話では、やはり独立されたということであった。
財が旺じてはいるが、日干に隣接した位置に財がなく、月干に丙火があり、蔵干の財の辛金を剋している。そのため愛想がいいほうではな いが、かえって仕事の上ではその性格が幸いし、多くの顧客の信頼を獲得していたようである。こうした四柱八字からすると、宝石販売、あるいは金融関係のような信用商売の場合は、財が日干に隣接していないほうが向いていると言えるかも知れない。
なお、時干に印、日の蔵干に官殺があることから、長子的に育てられたと見ることができる。
また、日干に隣接する位置に財がない人は、少数派に属する感性をもっていることが多い。そのため、人とは異なる価値観で物事を考えるので、時に独創的な仕事をしたりする人もあることになる。しかし、価値観が異なっているため、真剣に考えても のを言っても的外れとなりやすく、失笑を買ったりすることにもなる。
また日干が強く、財がなく、かつ日干に隣接して食傷があると、思ったことをそのまま口に出してしまい、当の本人はまったく悪意はなくとも、相手を傷つけ、人間関係を損ねるようなことになりやすい。そういう人は、真面目で曲がったことが嫌いなため、ルール違反を見つけると黙っていられないことになる。電車の中で携帯電話を使っている人を見かけると説教を始める人、老人を押しのけて子どもを座らせようとする母親に注意をする人、街へ出ると、時々そういう人に遭遇するが、こうした行動は正義感が強いと評されることになる。
ただし正義と言ってもそれは、その人にとっての正義でしかないことがままあるため、対人トラブルの原因になることにもなる。
「四柱推命学入門」小山内彰 (希林館)より
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