以下、日干が強い場合、日干が弱い場合の具体例をあげ、その見方を説明することにする。上段に、暦から出した四柱八字を表記し、下段に、旺の逆転の処理をした四柱八字を掲げることにする。そして、日千の強弱は、下段の四柱八字で論じることになる。

●日干が強い四柱八字の具体例
A
A
日干は甲木で、亥月水旺に生まれ、日干甲木は相令となる。印が旺じ、月干に印があるので、旺の逆転はなく、暦のままの蔵千で日干の強弱を見ることになる。
日干甲木は、日の蔵干に甲木の根があり、時干に甲木の扶けがある。かつ月干に水旺の印の癸水があって、日干を生じている。このような四柱八字の場合、明らかに日干甲木は強であると言える。

B
B
日干は丙火で、亥月水旺に生まれ、月干に印はなく、官殺の水が旺じているので、旺の逆転によって下段のように年月の蔵干が変化することになる。
旺の逆転により火旺になり、日干丙火は旺令となり、日の蔵干と時干に印の甲木があり、日干を生じ助けている。月干に食傷の己土はあり、日干丙火はその気を洩らすことになるが、食傷に洩らすことの力量的マイナスは、旺じていること、そして二つの甲木に生じられていることにより十分補うことができる。したがって、この日干丙火は強であると見ることになる。
C
C
日干は壬水で、寅月木旺に生まれる。月干に壬水はあるが、年干の丁火を剋となり、かつ旺じる五行は食傷なので、下段のように年月の蔵干を逆転させて日干の強弱を見ることになる。旺の逆転により、月支の蔵干は庚金に変化するので、金旺としてみることになり、日干壬水は相令になる。時干に壬水の扶けがあるが、日の蔵干の食傷の乙木に洩らさなければならない。
しかし、乙木は死令であり、その力量的マイナスは小さく、日干壬水は強と見ることになる。なお、月干の壬水は、旺の逆転の処理の際は仮にないものとして見たが、日干の強弱を見る際には、その作用を考慮しなければならない。この例では、月干の相令の壬水は、年干の囚令の丁火を剋すために力を消耗するが、日干を扶けることのできる余力を残していると見ることになる。

D
D
日干は己土で、子月水旺に生まれ、かつ月干に財の壬水があって、印も比劫もない。財の水が旺じているので、下段のように蔵干を逆転させて日干の強弱を見ることになる。旺の逆転により、月の蔵干は己土になり、土旺とし て見ることになる。 日干己土は旺令とな
り、日の蔵干に印の丙火があり、時干に陽干の戊上の扶けがある。日干己土は、月干の壬水を剋さなければならないが、土旺で、壬水は死令であるため、その力量的なマイナスは、日干を弱にするほどではないと見ることになる。年干に壬水はあっても、日干には間接的な影響しかないので、日干は強として見ることになる。
「四柱推命学入門」小山内彰 (希林館)より
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