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iの場合、日干乙水で月干に比劫の甲木があり、財が旺じている。年干にも比劫の甲木があるので、旺の逆転はなく、暦のままの蔵干で日干の強弱を見ることになる。

従来の格局の論議においても、旺じる五行、印の有無、官殺の有無、等々を、その分類の視点としている。しかしその条件を四柱八字全体に求めたため、いろいろな不都合を生じることになっていたのである。そもそも、この旺の逆転という方法を思い立ったのは、格局の方法では現実の事象に合わない、という運命学として致命的な問題があったからである。この問題を解決するため苦心しているうちに、この旺の逆転という方法にたどり着き、結果として、格局という分類方法はまったく不要になってしまったのである。
さて、生年月日時を元にして、干支暦により四柱八字を出し、旺の逆転の処理が終わると、いよいよそれはその人自身を示すものとなる。四柱八字には、その人が生来備えている多くの身体的・精神的要素に関する情報が含まれている。たとえば、どのような性格であるか、どの身体部位が弱いかといったことがわかるのであるが、その人自身のことだけではなく、両親、配偶者に関することも、旺を逆転した後の四柱八字から推察することになるのである。

「四柱推命学入門」小山内彰 (希林館)より