古来より、四柱推命の書には、生剋・料以外に、十干と十二支の相関関係について多くのことが述べられている。前述もした三合(局)のほか、沖、方、干合、支合、刑、害、破、等々がある。結論から言えば、生剋・幣さえ理解すれば十分で、これ以外のものはまったく必要ない。しかし、今まで四柱推命を学んだことがある方のために、不要なものではあるが、以下に簡単に触れておくことにする。

●冲
沖とは、十二支を円周上に等間隔に並べ、向かい側に位囮する支の関係のことを言う。十二支であるから、全部で6通りの沖があることになる。沖の関係を図示すると次のようになる。

冲の図.jpg

沖の関係を旧来の蔵干とともに表示すると次のようになる。

午(丙丁)
子(壬癸)

沖には、右のように、壬水と丙火が剋、癸水と丁火が剋となり、互いの蔵干がすべて剋の関係になるものと、
辰(乙癸戊)
戌(辛丁戊)

右のように、本気の戊土を除いた、乙木と辛金、癸水と丁火が剋の関係になるものがある。しかし、本書では、蔵千が複数あっても同時に存在しないと考えるため、このような沖の関係は成り立たないことがある。例えば、本書の蔵干の考え方で表示すると、

辰(乙)
戌(辛)

右のようであれば、蔵干の乙木と辛金が剋になり、古来より言われている沖と同じ関係にな
るが、同じ辰と戌でも、

辰(戊)
戌(辛)

となることもあり、蔵干の剋は成立しない。したがって本書では、冲という支の関係は、まったく無意味ではないものの、用語としての価値がないため、雑論として排除することになる。

「四柱推命学入門」小山内彰 (希林館)より