現在私たちが日常使用している暦は、太陽の運行を元にして作られているグレゴリオ暦と言われる太陽暦である。1582年10月15日より、ローマ法王の支配下にあったイタリア、フランス等の国々で使われ始め、徐々に世界中に広まった暦である。そのほか、暦と言われるものには、月の満ち欠けの周期を元にして作られている太陰暦、太陽の運行と月の運行の周期を折衷して作られている太陰太陽暦があるが、四柱推命では、これらとはまったく別の、干支暦と言われる特殊な暦を使用することになる。
太陰暦は世界中を見渡しても、イスラム暦くらいしかなく、あまり見かけることのない暦である。太陰太陽暦は、いわゆる旧暦と言われているもので、日本でも明治5年まで公式に採用されていた。現在もカレンダーとか市販の暦にその姿をとどめており、いまだに旧暦にしたがって正月やお盆といった行事が催されることもある。
四柱推命で用いる干支暦は、年月日時をすべて干支で表示する一風変わった暦で、年月日時それぞれを六十干支が順に巡っていくという、じつに単純な構成となっている。しかし、次に説明する二十四節気によって厳密に太陽の運行との同期が図られており、構造的には太陽暦に大変近いと言える。それどころか、太陽暦のように4年に1度うるう年を設定して狂いを補正する必要がないので、ある意味、太陽暦より太陽の運行に忠実であり、合理的な暦と言える。
中国だけでなく日本でも古くから干支暦に基づいて日付を表記する習慣があり、辛亥革命とか壬申の乱というように、歴史上の事件の発生年が干支を用いて記録されている。
四柱推命では、この干支暦により、その人の誕生した年月日時を表記したものを、命運を推し量る糸口とすることになる。
「四柱推命学入門」小山内彰 (希林館)より
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