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離(り)は火、まといつくもの
離(り)という字は複雑な意味を持っています。すぐに頭に浮かぶのは、「離縁」「離別」「別れる」「離れる」などですが、たしかにそう言う意味もあります。ところがやっかいなことに「離は麗なり」といって「美しい」という意味もある。さらに麗には「つく」「付着する」という意味もある。
マーフィー博士はこの卦のキーワードとして、「まといつくもの」というのを選びました。なぜでしょうか。それは離の示す火の性質によるものです。火は物にまといついて燃える。何もないところに火は絶対に生じない。火は何でもいい、とにかく何かにつかなくてはならない。そこから「まといつくもの」すなわち火となるわけです。さらに火は燃えれば美しい。そこからもこの卦のイメージは生まれています。
「あなたは目的へ向かってうまずたゆまず歩き続ける。目的にそれだけ執念を燃やすものには、必ず成功は訪れる。がんばる態度の者には光は与えられるのだ」一方で火には危険な側面もある。それは水と同じである。生活の上で不可欠だが、 方法を誤ればとり返しのつかない惨事を引きおこす。両極端のしかも激しい性質を持っている卦といえます。

〔概念〕火、美、光明、日輪、敏感、乾燥、競争、観察、飾る
〔人間〕次女、貴族、芸術家、美人、賢人、見栄を張る人、革命家、軍人、狂人
〔自然〕風景の良い場所、火山、噴火口
〔動物〕鶴、きじ、貝類
〔身体〕目、心臓

「マーフィの易占い」J.マーフィ(昭和61年、産能大学出版部)