「吉なり=吉は「幸運」「盛運」「上昇運」「発展」「進歩」「成功」「実現」などを暗示する。「吉なり」とあれば自信をもってその方向に歩める。反対語はいうまでもなく「凶」。この場合は自重する必要がある。

 

「往くところ……」=これは「先頭に立って行く」「出かけて行く」ことで「良い」ときと悪いときが示される。「良い」ときは積極的に事に当たるべきで、「悪い」ときは人に従うほうがいい。

 

このほかにも、易にはその字面からだけではなかなか理解しがたい言葉、単語がいくつも出てきますが、それはその都度説明します。易が難解といわれるのは、この用語の難しさが大きな原因になっていますが、伝統的な易学でも解釈は少しずつ異なっており、またいたずらに細部にこだわり、難解な『易経』をさらに難しく親しみにくいものにしているきらいがあります。それは偉大な思想体系の宿命といえるかも知れません。

 

「マーフィの易占い」J.マーフィ(昭和61年、産能大学出版部)