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キーワード:集まること

萃。亨。王仮有廟。利見大人。亨。利貞。用大牲吉。利有攸往。

(すいはとおる。おうゆうびょうにいたる。たいじんをみるによろし。とおる。ていによろし。たいせいをもちいてきち。ゆくところあるによろし。)

「萃」は集まること。「大牲」は大いなるいけにえのこと。「沢地萃の時、通じる。王が宗廟に祖先を祀る。有識者に相談することだ。通 じる。貞正であれば良い。牛や豚などの大きないけにえを用いて祭祀を行って吉。進んで良い」。沢地萃の時は、人や物、お金が集まり、大繁盛の時です。あな たの株が上がり、地位も昇進、人気もうなぎ登りでしょう。また、この卦は登竜門の卦ともいわれ、就職や試験、人事などの競争ごとには難関であっても突破で きる活気溢れる時です。ただし、人が大勢集まるからにはライバルも非常に多く、不慮の災難も起こりやすいことでしょう。用心を欠かさないのはもちろん、こ の機会にご先祖様に感謝の念を捧げましょう。

 

〔大意〕人のよく集まる象。萃(すい)に「集まる」という意味があるからです。人が集まることは悪いことではありません。それだけ評価され、魅力もあるから人が寄ってくる。人気タレントは人を集めることと社会的地位と富とを手に入れる。政治家は票を集めることで、自己の存在価値を高めていく。

この卦はそれができるというのですから、人気が出るよう、人から評価されるよう努めるべきでしょう。ただしここで注意する必要があるのは、どんな人間が側に集まってくるかということです。

マーフィー博士は「友達を見よ」といいます。「人生は不思議なもので、同じような考え方、趣味、気質の人間が自然と寄り集まって含ます。これを“類友の法則”というのです。その人のつき合っている人を見ればその人がわかります」

『易経』の著者の一人である孔子も似たことを言っている。「その人を知りたくば、その友を見よ」人の集まってくるのはいいが、誰でもいいというわけではない。ではあなたは自分にとって。プラスになる人間が集まってくるように努力するべきですか。

ちがいます。あなたは自分の周囲に来る人問にとって、正しい意味で役に立ち、楽しい人間になることです。それが人を選択する最良の方法です。お金があれば人は寄ってきます。利権があれば寄ってきます。しかし、そういった欲や打算で集まってきた人間たちを喜ばしてはいけません。それはあなた自身を卑しくし、堕落させるだけだからです。人間は本来孤独な動物です。その人間だからこそ一緒にいるだけで、やすらぎを覚えるような人間関係を求める。それを満たしてあげられる人は、それだけでもじゅうぶんに幸福になれるはずなのです。

 

  • 初6:結果に対して自信を持ちなさい。

有孚不終。乃乱乃萃。若号一握爲笑。勿恤。往无咎。

(まことありておえず。すなわちみだれすなわちあつまる。もしよばえばいちあくわらいをなさん。うれうるなかれ。ゆけばとがなし。)

「一握」は容易にの意味。「誠」があっても全うできない。心がどうにも定まらない。もし声を上げて友を呼ぶなら応じてくれて、簡単に 笑いに変わる。心配しなくても良い。進んで問題はない」。何かと迷いの多い時ですが、目的を一つに絞らないことにはラチが明きません。意志表示を明確にす ること。

 

  • 二6:類友、吸引の法則が働いていることをつねに意識せよ。

引吉。无咎。孚乃利用禴。

(ひけばきち。とがなし。まことあればすなわちもちいてやくするによろし。)

「禴」は簡略された祭りのこと。「人を立て自分は陰にまわる、すなわち引いて吉。問題はない。誠があれば質素な祭りで良い」。出しゃ ばらず、誠の心で進む時です。

◎良い時です。

 

  • 三6:人があなたを台無しにするのを許しておけますか。

萃如。嗟如。无攸利。往无咎。小吝。

(すいじょ。さじょ。よろしきところなし。ゆけばとがなし。しょうはりん。)

「萃如」は集まること。「嗟如」は嘆き悲しむこと。「集まっても、嘆き悲しむばかりで良いことがない。進めば問題はないが、少々恥を かく」。障害多く、ため息ばかりが出る時です。あれこれ迷う気持ちが気力を削いでいるのです。

 

  • 四9:物質的利益よりも精神的利益を優先させなさい。

大吉。无咎。

(だいなればきち。とがなし。)

「大人は吉。問題はない」。人があなたを頼りにわんさと集まってくる時で、対人面で配慮を要する時です。強欲で、高慢なのは小人の態 度、大人のあなたには禁物です。

◎大変良い時です。

 

  • 五9:誠実、正直が人とつぎ合う原則であることを思い出しなさい。

萃有位。无咎。匪孚元永貞。 悔亡。

(あつめてくらいをたもつ。とがなし。まことにあらざるもげんえいていにしてくいほろぶ。)

「人心を集めて地位を保てば問題はない。心服しない者がいても、大いにいつまでも貞正を保つようにすれば悔いがなくなる」。人望を集 め る時です。実力が伴わない状態なので、努力を継続すること。

◎大変良い時です。

 

  • 上6:どんな事柄にも、悩まされたり悲しまされたりしてはならない。

齊咨涕洟。无咎。

(ししていい。とがなし。)

「齊咨」は嘆き悲しむこと。「涕洟」は涙を流すこと。「嘆き悲しみ、涙を流して泣くが問題ない」。成功して衆に抜きん出たはずなの に、時の流れに取り残されて一人ぼっち、孤立無援を感じる時です。進めることは、泣きの涙に至るので控えること。

◎あなたの考え方、進み方に問題点があります、よく反省し、改めましょう。

 

 

「マーフィの易い」J.マーフィ(昭和61年、産能大学出版部)及び以下を参照しています。

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