キーワード 持続
恒。亨。无咎。利貞。利有攸往。
(こうはとおる。とがなし。ていによろし。ゆくところあるによろし。)
「恒」とは常ということ。久しく変わらないこと。「雷風恒の時、通じる。問題はない。貞正であれば良い。進んで良い」。雷風恒の時に は、何事も方針を変えることなく貫くことで本当の幸福が得られます。ですから、初心を忘れず現状を守り、転職するなど、むやみに事を起さないことです。こ の期に不動心を培い、平凡の良さを認識すべきです。この卦は、夫婦の卦とされ、幾久しく変わらない姿を表します。この卦が出た時は、いわゆる夫婦が倦怠期 に入ったような時で、平穏無事な毎日に退屈して、刺激を求めてウズウズしている心が潜んでいる危険な時でもあります。自分の心に問うて、よく反省してみる ことです。
〔大意〕恒(こう)は恒久不変の恒。この卦の解釈は「一定の変化はあるが、そのジステムは不変である」という意味で、積極的に仕事でも計画でもすすめるのに良いとされています。
「あなたが正しい考え、正しい感情、正しい行動をしっかりと続けているならば、調和、健康、平和といった心の富を経験するだろう。あなたが達成しようとしている計画は、どんなものであろうと、またその目的がどんなはるかなものであろうと、それは達成できる」
これがこの卦に対するマーフィー博士のメッセージです。これは一読すると、何の変哲もないようだが、 ポイントは持続という点にあります。どんな事柄でもはじめるのは簡単だが、それを持続させることはきわめて難しい。しかし、持続ということができない限りは目的の達成はできません。
持続の困難さは、情況の変化です。持続したいと思っても持続できないような境遇、環境におかれることがある。しかしこの卦の場合は、そうした変化がほとんどないということをいっているのですから、それを信じて計画を実行していくべきです。
潜在意識がもっともその能力を発揮するのは、目的の一定不変です。どんなに情況が変わろうと、いったん決めた目的は変えない。それがほとんど不可能に思われるような状態でもあきらめないで時機をうかがう。そうしていれば、必ずチャンスはめぐってくるものなのです。
成功者の特質の一つが、この目的の一定不変ということである。たとえば、発明家などの仕事はほとんどこれである。その発見や発明のきっかけがいかに偶然に見えることであっても、その人がずっと抱き続けてきた目的意識があったからだ。持続の意志こそ成功の最大の要素といっていいものです。
- 初6;:急いで事をしてはならない。
浚恒。貞凶。 无攸利。
(ふかくつねにす。ただしけれどもきょう。よろしきところなし。)
「最初から深入りしようとする。貞正であっても凶。良いことはない」。最初から飛ばしすぎ、求めすぎで無理があるのではありません か。自分の力量をわきまえることです。
- 二9:先のことを思いわずらうな。
悔亡。
(くいほろぶ。)
「雷風恒の精神を守れば悔いはなくなる」。「継続は力なり」の時です。今までの方針どおりに根気よく進みましょう。
- 三9:理性に逆らうことも潜在意識が是認しているかも知れない。
不恒其徳。或承之羞。貞吝。
(そのとくをつねにせず。あるいはこれにはぢをすすむ。ただしけれどもりん。)
「徳に欠け、節度がない。恥をかくことになる。貞正にしていても非難される。」方針を変えてはならない雷風恒の時にふらふらと方針が 定 まらず、あれもこれもと気が多く、多情による過ちを起こしやすい時です。このままでは信用も名誉も 失います。
◎あなたの考え方、進み方に問題点があります。よく反省し、改めましょう。
- 四9:自分の中にある無限の力のみを信じなさい。
田无禽。
(かりにきんなし。)
「禽」は鳥、獲物のこと。「田んぼで狩をして獲物がなかった」。労して功なし、とんだ見込み違いで利益のあがらない時です。すべて断 念して、早く手を引くこと。
◎あなたの考え方、進み方に問題点があります。よく反省し、改めましょう。
- 五6:自分の感情を支配したいなら習慣を変えなさい。
恒其徳。貞。婦人吉。夫子凶。
(そのとくをつねにす。ただし。ふじんはきち。ふしはきょう。)
「徳を維持し貞正を守る。婦人は吉でも男子には凶」。柔順を旨とすべき立場の人にはよくても、自発性、臨機応変を旨とすべき立場の人 には良くありません。いつでも頑固で融通がきかないと、今のご時世、マイナ スになります。
上6:いまのあなたはおだやかな心を保つだけでよい。
振恒。凶。
(こうをふるう。きょう。)
「 雷風恒の道を守らず絶えず動揺している。凶」。不動心とはほど遠く、確固とした目的もないのに、目移りばかりしている時です。どんなに忙しく飛び回っても 成果はなく、見当外れの努力にほかなりません。
- ◎あなたの考え方、進み方に問題点があります。よく反省し、改めましょう。
「マーフィの易い」J.マーフィ(昭和61年、産能大学出版部)及び以下を参照しています。
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