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キーワード 塾考

観。盥而不薦。有孚顒若。

(かんはてあらいてすすめず、まことありて、ぎょうじゃくたり。)

「観」は観光旅行の観、観察すること。目と心で見ること。「顒若」は厳正、厳粛なこと。「風地観の時、手を洗い清め、お供物を軽々し く捧げたりしない。誠が満ちていて、すべてのことが厳粛に行われる」。風地観の時」は祭祀に取りかかる時のように、誠をもって厳かに事を行えば、人から信 頼され尊敬を受ける時です。また、学問や趣味に力を注ぐ好機でもありますが、おおよそのことは現状維持を心がけることです。見聞を広める旅行をするには大 変良い時です。

 

 

〔大意〕この卦は衰運、変動を暗示しています。観は観察、見ることをあらわし、「よく物事を見つめよ」と教えてくれています。ただし、ここで見るというのは、カメラのファインダーをのぞくようにただ見るというのではなく、心の目で広く、正しく知恵をもって観察せよ――ということです。

 

われわれは物事がうまくいかないときはとくにそうですが、見方が近視眼的になる。それに自分で気がつかないから、「見た」「まちがいない」と思う。しかしわれわれが見るということは、かなりいい加減で、まちがいが多いものです。

 

キーワードの「熟考」とは、じっくりと観察する、観察したものから自分のとるべき道を選択することまでを含みます。それも固定されたものを見るのではなく、変化を見るのです。変化を見、そこから自分の行動指針を選択するには、潜在意識に頼るのが一番です。理性的解釈では変化はとてもとらえ切れるものではないからです。

「わたしを呼び求めよ。そうすればわたしはあなたに答える。そしてあなたの知らない隠されていることをあなたに示す」マーフィー博士はバイプルを引いてこの卦のイメージをこう説明しています。観の見るは「見て考える」ことであり、それは観察したことを材料に熟考することなのです。

熟考していれば行動は抑制される。しかし、この場合はそれでいいのです。行動よりもそれに先立つ思考のほうが潜在意識の活用のためには重要だからです。あなたの心の声、メソタルシグナルを受信するためには、何ものにもまどわされることのない心眼を開くことが必要です。熟考のすえの行動はこの場合は吉となります。逆のときは凶、慎重さが望まれると含です。

 

  • 初6:口先だけの正義は無意味である。

童観。小人无咎。君子吝。

(どうくかんす。しょうじんはとがなし。くんしはりん。)

「知恵不足の子どもが見るようなものだ。小人はそれでも問題はないが、君子がそのようであれば恥ずべきことだ」。目先のことしか眼 中になくて、本質をまったく見抜けていない時です。子供には保護者が必要なもの、他の人の意見 を良く聞くことが肝要です。

 

  • 二6:あなたの目が澄んでいれば、全身も明るいだろう。

〓観。利女貞。

(うかがいみる。じょのていによろし。)

「〓」は覗き見ること。「覗き見する。女子どものおしゃべり程度。貞正であれば良い」。視野が狭く、小さなことは良くとも、大きな事 を行うのは到底無理な時です。大局的に物事を捉えることを心がけること。

 

  • 三6:潜在意識があなたの進むべき道を示してくれることを信じなさい。

観我生進退。

(わがせいをみてしんたいす。)

「自分の行き様ざまを見て進退を決定する」。自分のことを振り返って、分相応に努めましょう。一歩一歩着実に進むこと。

 

  • 四6:正しく考え、 正しく感じ、 正しくなすことである。

観國之光。利用賓于王。

(くにのひかりをみる。もちいておうにひんたるによろし。)

「国,社会の動きを見る.王に引きたてられてアドバイザーになる」。観光という言葉はここからきたものです。見識の広さを見込まれ て、上司の引き立てを受けたりする時です。充分に観察して、充分に考えて行動することです。

◎良い時です。

 

  • 五6:あなたの思考や行動は他人の繁栄に寄与しなければならない。

観我生。君子无咎。

(わがせいをみる。くんしはとがなし。)

「自分の生きざまをよく反省する。君子がこのようであれば問題ない」。責任ある立場に立たされて、気の抜けない時です。また、自分を 省みるだけでなく、「人の振り見て我が振り直す」べき時でもあります。あなたが上司なら、部下を見て、日ごろの自分の行いを反省すべきです。

◎良い時です。

 

  • 上9:心が清い人たちは幸いである。一切のわざわいから自由であるからだ。

観其生。君子无咎。

(そのせいをみる。くんしはとがなし。)

「広く社会全体を見る。君子がこのようであれば問題ない」。超然と構えて、些細なことには関わらないことです。

◎良い時です。

 

 

「マーフィの易い」J.マーフィ(昭和61年、産能大学出版部)及び以下を参照しています。

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