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キーワード 結合

仲 良く和気あいあいと進む時

比。吉。原筮。元永貞无咎。不寧方来。後夫凶。

(ひはきち。ぜいにたずねげんえいていにしてとがなし。やすからざるものまさにきたる。こうふはきょう。)

「後夫」は遅れる人の意味。「比」は親しむこと。「筮」は占い、天の意志のこと。 「水地比の時は吉。人と親しむに当たっては、筮に尋ね、すなわち天の意志を伺い、大いにいつまでも貞正を保てば問題はない。ただし、こういう親しむ時に は、心が安らかではない者まで親しもうとしてやって来る。とくに、遅れてやって来るような者は、打算的で信用できず凶」。この卦が出たら、人の助けが得ら れる時です。大いに人と親しみ、協力関係を築くことです。しかし、善にも悪にも見境なく親しみやすい時ですから、交際する人の選択には注意しましょう。ま た、水地比の時には、競争の多い時でもありますから、あなた自身も人に遅れをとることなく、機先を制することがポイントです。その場合も、仲良くすること を念頭に置くこと。

 

 

〔大意〕「比は、吉なり」と『易経』にあるように、この卦は幸運をあらわしていますが、そのボイントは人とのコミュニケーションがうまくいくことにあります。人のあなたへの高い評価、人との協力によって、あなたの計画は遂行され、成功するのです。

そのために、あなたがすべきことの最善の策は何でしょうか。それは他人との付き合い方でしょうか。マーフィー博士は「そうではない」といっています。「人間関係で悩んでいる人は、他人との折り合いの悪さで悩んでいるのではない。自分との折り合いの悪さに悩んでいる」のです。

したがって、まずすべきことは自分と折り合いをつけることである。自分と折り合いがつけば、自然に他人との付き合いもスムーズにいくようになります。また、現実に自分が自分で考えて好ましいものでないなら、理想の自分、「かくありたい自分」というものを想定し、その自分と接することです。

人問関係には「類友の法則」というのがあって、似たもの同士が集まってくる。これは自然の世界でも、たとえば植物の分布などを見ればわかります。動物でも同じです。人間の場合もこの自然の法則は適用されているのです。だから、自分の周囲に集まってくる人間のタイプを知れば、自分がどんな人間であるかがわかります。それがもし好ましいも のでないとぎはまず自分に問題があると思い、あなたは現実の自分より理想の自分と付き合うようにすべきなのです。

子供が問題を起こしたようなとき、よく周りが悪い、友達が悪いといったいい方をする親がいますが、客観的にそれは事実であったにしろ、原因を他に求める姿勢そのものが問題です。いかなる事柄も、自分に起きたことは自分の内部にその原因があるのです。

 

  • 初6:行いと真実をもって他人を愛せ。

有孚比之无咎。有孚盈缶。終来有他吉。

(まことありてこれにひすとがなし。まことありてふにみつれば。ついにきたりてたのきちあり。)

「缶」は酒を入れる土器のこと。「他」は思いがけないの意味。「誠をもって親しく交わる。問題はない。その誠が素朴な土器に満ちるよ うに豊かであれば、ついには思わぬ喜びもえられる」。あなたの飾らぬ真心、努力が人を動かし、予想外の喜びが訪れる時です。

◎良い時です。

 

  • 二6:すべての人に好意と活気をふりまけば、あなたの繁栄は約束される。

比之自内。貞吉。

(これにひするうちよりす。ていにしてきち。)

「心の中から親しくする。貞正にして吉」。あなたの方から誠意を尽くして親交を求めるなら、良い援助の得られる時です。

◎良い時です。

 

  • 三6:自分の家族を苦しめる者と付き合うな。

比之匪人。

(これにひするひとにあらず。)

「普通の人とは思えぬような得体の知れない者ばかりと親しくする」。とても正常な状態の時とはいえません。あなたの親しくしている 人、あなたがやろうとしている事など、思い当たることはありませんか?

◎あなたの考え方、進み方に問題点があります。よく反省し、改めましょう。

 

  • 四6:いつも、ほどよく塩で味つけられたやさしい言葉を使いなさい。

外比之。貞吉。

(ほかこれにひす。ていにしてきち。)

「外部の者とも親しくする。貞正にして吉」。たとえば、職種に関わらず交際することは自らの教養を高め、視野を広めてくれることで しょう。目上の助力を求めることです。

◎良い時です。

 

  • 五9:正し い者の願いごとはかなえられる。

顯比。王用三驅失前禽。邑人不誡。吉。

(ひをあきらかにす。おうもってさんくしてぜんきんをうしなう。ゆうじんいましめず。きち。)

「禽」は獲物、「驅」は馬を走らす意味。「邑人」は村人、「誡」は警戒し疑うこと。「水地比の道を明らかにする。王が狩の時に三方か ら獲物を追い詰め、前方より逃げる獲物は逃がす。去るものは追わずの姿勢であれば、村人は警戒心を起こさない。吉」。完璧さをしつこく追い求めず、寛大な 気持ちで接することが大切です。腹八分目を心がけましょう。

◎良い時です。

 

  • 上6:心の中の混乱は失敗と損失を招く。

比之无首。凶。

(これにひすしゅなし。きょう。)

「首」は主のこと。「親しくしようにも主たる相手がいない。凶」。 仲良くすべき時に、天の意思に背き、とうとう人から見放されたような時です。あなた自身も、“クビ”の憂き目に遭うかもしれません。

◎あなたの考え方、進み方に問題点があります。よく反省し、改めましょう。

 

「マーフィの易い」J.マーフィ(昭和61年、産能大学出版部)及び以下を参照しています。

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