就職とか受験とかのように、自分の社会的な立場を大きく変えようとする場合には、とうぜん吉方を活用すべきです。もちろん、吉方はどれを使っても、全般的に良い効果をあらわしますが、仕事 性質によって、その効力にも微妙なちがいがあらわれてくるのです。

もし、あなたが地味な性格で、堅実な仕事をのぞんでいるなら、二黒の星のる方角を選んでください。地位の昇進というような点では、どうしても急速にはいきませんが、そのかわり一歩一歩と漸進できて、退歩ということがないのです。仕事もあなたの性格にぴったりしていますし、その道でのペテランになるのにも、そんなに時間がかかりません。

女性がまじめな職場を希望する場合にも、この方角は最善です。デスクの仕事とか、手を使う仕事にまわされるでしょうが、待遇はよく、人的関係にもめぐまれるでしょう。

もしあなたが社交性の強い人で、外交とか、交渉に自信があるなら、八白の星のいる方角の職場を選んでください。仕事はかなり人問くさい部署につくようになりますし、たえず新鮮な問題にぶつかることになりますから、頭にも腕にもしだいに磨きがかかってくるでしょう。交際もだんだん広くなりますし、目上からもみとめられることが早いのです。

女性がホステスなどになる場合にも、この方角に当たる職場を選べばまちがいありません。目先の収入というよりも、すごい相手にぶつかって、玉の輿に乗った、と言われるような結婚をする可能性が大きいのです。

もしもあなたが活動家で、一カ所でじっとしていることが嫌いなら、一白の星のいる方角に当たる職場が最善です。忙しいことは猛烈に忙しいのですが、またそれだけに慟きがいもあると言えましょう。

この場合には、いずれあなたの手足になって慟いてくれるような良い部下にめぐまれてくるでしょう。あなたには指導力は人一倍あるのですから、そういう部下をうまく動かすことによって、仕事の成績も二倍三倍と上がりはじめます。そして、将来独立をしようと考えているならば、この部下たちのなかから、かならず協力者があらわれるでしょう。

そういう意味でも、部下の教育には十分気をつけてください。

女性がたとえばホステスのような職業につく場合、この吉方の店を選べば、収入はめだってふえるでしょう。ただ、結婚の相手を捜すという目的から見たら、八白の星のいる方角には劣るのです。

自分の頭や腕を極度に活かして慟こうという人は、七赤の星のいる方角を選んでください。まじめな学問をしようという場合には、この方角の学校を選ぶのがいいのですが、ただ六白生まれの人は、学問のための学問というような面にはあまりむきませんから、科目の選定は十分注意してください。同じ学問をするにしても、医学、工学、経済、経営学といったような、実用性の濃い学問が、六白生まれの人にはむいているのです。職場を選ぶにしても、同じような感覚が当てはまります。この方角も独立性を強める傾向が強いのですが、ただ部下運にはそれほどめぐまれません。しかし、この吉方での苦労や勉強は、いずれ大きく実を結ふのです。

 

◎出典　「改定方位学入門」高木彬光著　カッパブックス及びブログ作者の収集データーによる◎