就職とか受験とかのように、自分の社会的な立場を大きく変えようとする場合には、とうぜん吉方を活用すべきです。

もちろん、吉方はどれを使っても全般的に良い効果をあらわしますが、仕事の性質によって、その効力にも微妙なちがいが出てきます。

一般論としては、就職の場合なら、一白の星のいる方角に動きさえすればまずまちがいはありません。急速な飛躍はのぞめませんが、もともと四緑生まれの人は、あせらずあわてず、自分のペースで進むほうが性に合っているのです。新しい分野を開拓することは人にまかせて、一歩おくれてそのあとをついて行くほうが、かえって収穫が多いということも、人生にはよくあるものです。この吉方に行動すれば、あなたにはそういうチャンスがつぎつぎにやってくるでしょう。名を捨てて実をとるという方針に徹するつもりなら、仕事はばりばりできますし、目上からみとめられるのも早いのです。ただこの場合は、手柄を人にゆずるような謙虚な気持ちを忘れないでください。

とくに、あなたが緻密な性格で理屈っぼいほうなら、この吉方の職場を選ぶのが最善です。きっと、性格が剛胆で実行力の旺盛な上役にぶつかるでしょう。その相手とうまくコンビを組みさえすれば、あなたのアイデアはつぎからつぎへ実を結び、長いあいだには、両方ともにプラスとなるような良い結果が生まれてきます。

学校を選ぶにしても、まじめな実務的な方面に進みたいなら、この方角で披してください。入学後は良い先輩や友人にめぐまれ、社会に出てからも、たいへんなプラスになるでしょう。

女性の就職の場合でも、堅実な職場を選ぶつもりなら、この吉方に勤めるのが最善です。

もしもあなたが、性格にはでなところがあり、地味な会社を好まないなら、三碧の星のいる方角に当たる職場を選んでください。こちらの職場は、外部の人と接触する機会もずっと多いでしょうし、あなたの長所の―つである社交性もすぐに役立ちます。

何かの取引きのような場合なら、一つ話がまとまると、それが何度も連続して、永続性が出てきます。そしてまた、枝葉のように新しい取引先が出てくるのですから、仕事が仕事を呼び、金が金を呼ぶというようなことになるでしょう。

女性が就職する場合も、ちょっとはで好みな性格だったら、むしろこの吉方に動くのが良い結果を生ずると言えるでしょう。この場合には、仕事の面をはなれたプラス・アルファが期待できます。たとえば職場結婚というようなチャンスにめぐまれやすいのです。

また、個人の才能を徹底的に活かしてやろうという性格のかたなら、九紫の品のいる方角に向かって行動するのが最善でしょう。この場合は集団の一員としての行動にはあまりむきません。個性や自我がしだいに強くなってきて、人と摩擦や衝突を起こしやすいからです。

しかし、たとえば芸術家のような仕事なら、名声は早くあがります。技術で生きる仕事なら、ぐんぐん実力がついてきて、とうぜん、成果もともないます。ただ、敵を作りやすい危険はありますが、いっぽうでたのもしい味方も出てきますから、その点での心配はまずありません。

女性の場合、水商売の就職なら、この吉方に向かって動くのが最善です。

 

◎出典 「改定方位学入門」高木彬光著 カッパブックス及びブログ作者の収集データーによる◎