それから、こちらの方位に動いていきますと、しだいに良い知合いや友人がふえてきます。年

の若いときには、とくにその効きめが強くあらわれます。

たとえば、セールスマンがこの方向に向かって売り込みをねらいますと、まず最初にできたお客が、つぎつぎに芋づる式に自分の知合いを紹介してくれる、というような現象が起こりますから、一石数鳥と言いたいくらいの効果があがるでしょう。

ただ、セールスマンの場合などに、この方角が暗剣殺と一致したときには、逆にマイナスが出てきます。骨折り損のくたびれ儲けという程度ならまだいいのですが、逆にだまされて損をするというようなこともないとは言えません。

これは私が友だちから間接に聞いた話ですが、宝石のセールスマンなどには、個人で資本を投下し、個人的にいろいろなコネを利用して仕事をしている人も少なくないようです。ところが、そういう一人が、籠ぬけ詐欺にかかってしまって、たいへんな損をしたことがあったそうです。

その日はちょうど六白で、この犯人の指定した場所は彼の家から見て、七赤――西北の方向に当たっていたといいますから、「吉方破れ」で賠剣殺のマイナスが残っていたのでしょう。

こういうふうに、吉方と暗剣殺とが一致した「吉方破れ」のときには、話がひじょうにうまく見え、しかもその裏に何かあって、最後に悪いほうへ逆転していくことが多いのです。

こういう例は何もこの方位だけではなく、暗剣殺と吉方とが一致する場合にはよく起こることですから、十分注意してください。

つぎに八白の星のいる方角からあらわれる相手は、年上・年下の区別もなく、あなたにとってプラスになります。とくにこっちの方位にある親類や身内は、びっくりするほどのいい話を持ってきてくれるでしょう。

たとえば、六白の日に、あなたの家から見て八白の吉方、西の方角に当たる家に住んでいる親類が、縁談を持ち込んできたとしましょう。この緑談がたいへんな良緑であるということは、方位学の法則さえ知っていれば、話を聞かなくてもわかるくらいです。

九紫の星のいる方角を使うと、部下運にめぐまれます。直接の部下ではなくても、あなたから見れば年下か目下の人物で、あなたのためにひじょうにプラスになってくれる相手が見つかるでしょう。

餌をまく、というのは俗っぼい表現ですが、こういう相手に対しては、おりあるごとにむくいてやってください。この場合には時間的に前後したテイク・アンド・ギプの関係になると言えるでしょう。

取引きにしても、こちらが先にとくをするようなことになるのですから、この関係が長くつづけばつづくほど、あなたにとっては、大きなプラスが生まれてくるのです。

 

 

◎出典 「改定方位学入門」高木彬光著 カッパブックス及びブログ作者の収集データーによる◎