人は誰でも、肉体の死を迎える。魂の死はよくわからないが、私は肉体と魂は別のような気がしている。この考え方にたどり着いたのも、最愛の人を失うというとても、強烈な体験を経験したからだ。この経験は、ある方に諭されたが、戦争と同じだといわれた。
八路軍とともに活動された、牧正人史先生から地獄を見たね、と言われたことを思い出す。妻の死から49日目の夜、私は夢を見る。
どこか外国の風景で、彼女が笑いながら橋を渡っていた。
翌日の新聞に、人類◎◎億人目の赤ちゃん、オールトラリアのシドニーで誕生という記事が掲載された。それは、自動車関係の日本人夫婦の間に生まれた女の子、ということだった。
生まれ代わったと直感した。