山田洋二監督の寅さんが、来年の12月に帰ってくるそうです。私も、映画館で観ることのできる世代だったけれど、当時は忙しくて、ビデオを借りてきて、家ですべての作品を鑑賞したものでした。
山田監督は、当時泉と恋愛関係で結婚をするかどうか、という満男の幸福なスタートから始まると思われたシリーズの直前に渥美清さんが逝去されたため、そこでシリーズは終わりだとご本人も思われていたようです。
個人的に、満男と泉の結婚という場面が、どのような形で、展開されるのか楽しみにしていた私は、とても残念で仕方がない、というような感情を今でも思っており、その辺のもやもやも、これで解消されるとひそかに期待しています。
山田監督は、同時に「今、幸せかい?」という問いかけを、寅さんの映画の新作の中で、展開しようとしているようです。
表面的には、経済的にも恵まれ、何不自由ない生活を送れているにも関わらず、どこか空虚で、本来の幸せな生活を送れている人は、どこにいるんだ、と問うているようです。
戦後、日本は目を見張るような復興を遂げましたが、一方で、精神的には骨抜きにされ、昔日本人が持っていたような気概を失ったようです。
原因は様々ですが、そういったことに対しても、寅さんの50周年記念作品は、ある回答を与えてくれると思うと、とても待ち遠しいものです。