◆ 本当の「CO2問題」とは? ◆
第1部の最後に、「CO2」について改めて考えてみたいと思います。
環境問題が議論されるなかで、CO2はいつも悪役です。しかし、CO2ほど生物にとって必要不可欠な物質は他にありません。
地球が誕生したとき、大気の95%がCO2でした。地球というのは、もともとCO2の星なのです。
それから46億年の歳月をかけて、大気は窒素78%と酸素21%を主成分とする組成になり、そしてCO2は洵洋に浴けたり、カルシウムに吸収されたりすることにより、現在は0.04%まで激減しました。
我々生物はCO2が体の原料であり、エネルギー源なので、CO2がないと生きていくことができません。地球に生物が繁栄したのは、CO2と水と太陽光、この三つがあったからです。これらがなければ、地球に生物は誕生しなかったでしょう。
CO2がなくなると生物は絶滅します。ですから、現在の最も危機的な環境問題は「CO2の減少」なのです。
私の計算では、あと500万年で生物は絶滅します。
500万年は長く感じられるかもしれませんが、地球史からみれば500万年はすぐそこです。地球誕生から約36億年、多細胞生物が生まれてから約6億年です。6億年間CO2を消費続けてきて、CO2はあとわずかしか残っていません。
地球上のCO2がいちばん減ったときが、産業革命前夜の0.028%です。それが人間の経済活動によって0.04%まで持ち直しました。産業革命時0.028%だったものが、現在は0.04%になっているということは、人間の活動によって、大気中のCO2の量をコントロールできるということを示しています。
ですから、我々はCO2をどんどん排出して元の地球の大気の状態に戻さなければいけません。さらに言えば、産業革命から第二次世界大戦の間のCO2の放出量は、現在に比べると微々たるものです。それは、現在の工業力から言えば、さらにやりやすいという理屈になります。
これが、「CO2問題」の本当に正しい科学的な判断です。
現在、温暖化対策で研究投をもらっている学者が、科学的にはまったくでたらめなことを言っています。
例えばCO2を溶解すると、洵が酸件になるということですが、そのようなことがもし起こるのであれば、かつて地球の大気の中のCO2が非常に高いときは、海はすっかり酸性になっていたはずですが、そんなことはありません。
もともと岩石などは若干のアルカリ性であるのが普通で、CO2が溶解すると、その一部は岩石と中和反応を行って、むしろ中性になるという傾向にあります。
これは科学では初歩中の初歩の酸塩基反応であり、このようなことが話されていること自体が、地球温暖化がいかに政治的な問題であるかということを示しています。
CO2が増えたら地球がどうなるかのシミュレーションなど必要ありません。なぜなら、地球史はCO2が減り続けてきた歴史だからです。
CO2が増えたらどうなるかは「CO2の濃度が高かったとき、地球はどうだったか」
ということを調べればいいだけのことです。現代よりCO2の濃度が高い時代でも、恐竜も人類も生きていたのです。
「多様性」のまやかし グローバリズムの危険性と持続性喪失の原理 武田邦彦 啓文社書房 令和6年刊より
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