◆ 地球の温度は「太陽活動」で変化する ◆
現状がわかったら、次に地球の気温変化の「最も大きな要因」を考察する必要があります。それは言うまでもなく、「太陽」との関係です。
人類がCO2を大量に排出し始めたのは産業革命以降ですから、それ以前の気温変化にCO2や温暖化ガスは関係ありません。そもそも、地球の気温にいちばん影響を与えるのは太陽ですから、地球温暖化の問題を論じる際には、太陽の活動をまず見ることが当然でしょう。
「歳差運動」という物理的な動きがあります。歳差運動とは、自転している物体の回転軸が、円をえがくように振れる現象です。一般的に、地球の自転軸が黄道面に垂直な線の周りを周期約2万5800年で首振り運動をすることを指します。
太陽や月、惑星の引力によって、偵いている地球の地軸を引き起こそうとする力が働き、それによって太陽の光の当たり方が違ってくるのです。
H射塁の変化は、「ミランコビッチ・サイクル」(Milankovitchcycle) と呼ばれるものでも測定できます。ミランコビッチ・サイクルとは、地球の公転軌道の離心率の周期的変化、自転軸の傾きの周期的変化、自転軸の歳差運動という3つの要因により、日射量が変動する周期です。
太陽の活動自体も強くなったり弱くなったりすることで、地球の気温は上がったり下がったりします。
次に示す図4のグラフは、1850年から2020年くらいまでの間の太陽の活動についての平均的な観測値を示しています。縦軸は、太陽光が地上に達する量です。
太陽活動は周期的に変化するものであり、それが大きな変化と小さな変化に分かれています。
おおむね太陽活動は12年周期で活発になったり、不活発になったりしています。

西暦1850年から1920年くらいまでは、太陽活動はあまり活発ではありませんでした。平均値を超えるのは1930年あたりからで、それから太陽活動が活発になります。
ところが1950年から1970年くらいまでの20年間は一時的に太陽活動が沈静化し、その後1980年くらいから再び活発になっており、これが現在の太陽活動ということになります。
図1 (20ページ) で示した直近100年間だけの気温の変化を見ると、1950年くらいまではなだらかに気温が上昇していますが、1950年から1970年までの間は、気温の上昇が停滞します。
そしてまた1980年くらいから温暖化が急激に起こるという状態になっています。
現在の気温上昇に関しても、太陽活動と相関性があることが読み取れます。
だからといって、「太陽活動が地球温暖化の原因である」と結論づけるのは早急です。
ここで私が言いたいことは、何かしらの現象を理解するためには、最も大きな影響を与えるであろう対象をまず調べる必要があるということです。
太陽活動を見ていきながら、その他の要因(CO2や温暖化ガスの増加など)を様々な角度から検証していくことが科学的なアプローチです。
ですから、「CO2の地加が地球温暖化の原因である」としている現在の対策は、不十分と言わざるを得ません。
「多様性」のまやかし グローバリズムの危険性と持続性喪失の原理 武田邦彦 啓文社書房 令和6年刊より
R080627

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