◆ 当時としては、科学技術史上の奇跡 ◆
しかし、奈良時代にはまだ金箔技術が発達していませんでした。金を水銀に溶かして「アマルガム」をつくります。すると金が液体の水銀に溶けた状態となり、刷毛で大仏に塗ることができました。
アマルガムを塗った後、松明(たいまつ)を燃やして加熱し、水銀を蒸発させました。大仏表面から水銀が除かれて金だけとなるので、金箔を貼ったのと同じような形となります。水銀は人体にとって有害です。この作業に従事した人々が水銀中毒になったという記録もあります。
銅鉱石の採掘、鋳造から大仏建立、金箔を施すまでの過程には想像を絶する技術の粋が集められていたとともに、苦心惨愴がありました。
大仏鋳造にともなう最先端の技術がなぜ8世紀の日本にあったのか、それは世界史的に見ても大きな進歩と言えるものでした。
日本では、銅の多くは火山が噴火する時にマグマとともに地上に出てきます。その銅の鉱脈は地表近くで横に流れ、銅の鉱山をつくります。山口県には石見(いわみ)銀山もあり、四国には水銀の鉱脈もあります。
また、水銀は金や銅と同じ「銅族元素」と呼ばれるもので、一緒に出てくる傾向があります。奈良の大仏の建立は、そうした自然環境の中、当時の日本人が技術の粋を駆使して成し遂げた科学技術史上の奇跡と言っても過言ではありません。
奈良の大仏は地震や天災の多い日本列島を鎮める目的で聖武天皇が建造されましたが、偶然ではありません。
日本列島の地学的な意味合いと自然環境、日本人の科学への関心と勤勉さなどが総合的にかかわり合ってこそ、奈良の大仏は生まれたのです。
『かけがえのない国 誇り高き日本文明』武田邦彦著 MdN出版(R05年)より R080528

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【無料】牧正人史式 姓名科学 解析システム(マシレ予測)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
#牧正人史 #マシレ予測 #武田邦彦


コメント