◎ 食べ物だけが心配
日本列島は、世界でも珍しい「温帯の大きな島国」です。
周りに海流が流れ、空気は偏西風でいつも新しくなっていて、中央に山脈があるので、そこに雲がぶつかるので雨も適当に降ります。
世界で水道の水が飲める国はわずかしかありませんが、もちろん日本の水道水は世界一です。四季折々の変化、時々来る台風が大掃除をしてくれます。
辛いことと言えば冬の日本海側とか北海道は暖房が大変ですが、その他は大きな砂漠もありません。
私はアジア、アメリカ、ヨーロッパなど世界のいろいろなところを旅行しましたが、これほど気候が良く、しかも犯罪という点でも安心して生活できるところは日本しかありません。
少し前には大気が汚れたり、水道が臭いという苦情が多かったりしましたが、今ではそれも解決しています。
でも一つだけ心配なことがあります。それは食糧自給率が低いことです。
食糧自給率が低いというのはそれだけで心配ですが、少し中身を勉強すると、これだけは何とかしないといけないことがわかります。
まず、第一には食糧自給率というのは、お米などの主食と、肉類や果物などの食料も入れて計算したものですが、危険という意味では食糧自給率より、穀類自給率が大切です。
食料が足りなくなってきたとき、人間は最低でも生きていけるだけの食べ物を確保しなければなりません。そして生きていくには日本ではお米、ヨーロッパではパンのように穀物が生命線なのです。
たとえば、トルコでは普通の食料と違い、パンだけは特別に安く売っています。どんなに貧乏な人でもパンだけは食べられるような政策をとっています。
また、小麦を主食とするところではパンがメニューの中に入っていなくても、制限なく食べられる国が多いものです。
だから、各国、それもお金に余裕のある国は、食糧自給率が100%を下回っていても、穀類自給率だけは100%を維持しています。アメリカやオーストラリアのように国土が広いところは当然ですが、ヨーロッパ諸国も穀類自給率には特に神経を使って、万が一の時に備えています。
その点では日本は全くのんびりしていて、穀類自給率は27%ですから、おおざっぱに言うと4分の1しかないのです。もちろん、こんな国は世界で日本だけしかありません。よほど貧乏でお金のない国は別にして、おおよそ先進国とか、日本のように1億人以上も国民がいる国では、穀類自給率が低いと全く危ないのです。
不足すると言っても自給率が70%ぐらいなら、少し我慢したり大急ぎでお米を作ればよいのですが、なんと言っても4分の1では餓死してしまいます。
家庭で行う正しいエコ生活』武田邦彦 平成21(2009)年 講談社刊より 20260222
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