日本人には「差別意識」がほとんどない

日本人には「差別意識」がほとんどない

男性と女性ということに限らず、「差別」というもの全般について少し考えてみましょう。
たとえば、日本に奴隷制はありませんでした。政情は穏やかで、革命もなく、皇室が途切れることなく続いてきました。
今日の歴史研究によれば、江戸時代の「士農工商」は身分制ではなく職業区分でしかなかったとされています。フィクシ
ョンの映画やドラマでは武士が威張りちらして農民や町人を支配している姿が面白おかしく描かれることもありますが、武士にそんな力はありません。
武士(武器を携えて社会秩序を守る人)はたいへん謙虚でした。それでいて、間違いを犯すと自ら責任をとって切腹します。武士が携行する武器、つまり刀は社会に対して自らが責任をとるために使う道具でした。

西洋の兵士の歴史は、傭兵(金品で雇われて戦う人)の歴史です。傭兵に、社会に対する責任感はありません。
「支配と被支配」「統治と被統治」という関係は、西洋社会の歴史研究から出てきた概念に過ぎません。日本の歴史には当てはまらないのです。
日本人は、職業を別にする人それぞれ、お互いをかけがえのないものとして尊重することで社会を成り立たせ、安定させてきたのです。

『かけがえのない国――誇り高き日本文明』 武田邦彦 ((株)MND令和5年発行)より
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