●工業収益の一部を農業や漁業に還流すべき
ただ、金銭面で日本の工業は農業の手助けをしなければならない。
というのも、日本の工業が世界の市場で優秀な成績を上げることができるのは、農業が農作物をつくり、漁業が魚を供給するからである。そして、農業や漁業の盛んな場所は工業への人材の供給基地にもなってきた。だから、工業の収益の一部を農業や漁業に還流するというシステムをつくれば、環境を改善するための力になる。
リサイクルやダイオキシン、また地球温暖化対策などは環境問題のように言われているが実際には環境にほとんど影響がない、もしくは環境を悪くしさえもする。
これらに政治の力を発揮するのではなく、食糧のように日本人の体に直接入り栄養になるものこそ環境問題として本来扱うべきであり、最も重要な問題として改善策が求められているのだ。

『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』武田邦彦 洋泉社刊 2007年
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