国内農業崩壊の原因は、大量輸入・販売
なぜこうした国内農業の現状を放置し、国外からの輸入に頼るのでしょうか? その原因は、大量生産・大量輸送・大量販売に依存した食糧供給の仕組みにあります。
トマトを例に考えてみましょう。食品加工会社が多くの農家からトマトを大鍼に買い集め、4個単位でパッケージにしたり、トマトジュースに加工したりします。こうして大量生産された「商品」が、スーパーなどに大漁に輸送され、大量販売されます。
全国チェーンのスーパーは、個別の農家に比べてはるかに事業規模が大きいため、市場価格の決定権を握っています。しかも外国涯トマトの方が安ければ、すぐに売り場の商品を輸入品に代替します。現在のトマトは45% が輸入品です。こうした輸入圧力により、加工原料用トマトを国内で生産する農家は1980年には2万5000戸ありましたが、その後の輸入自由化とともに現在の5000戸ほどにまで減少してしまいました。

『Renaisance Vol.13』ダイレクト出版 「家族農業」こそ日本再生の道 伊勢雅臣氏より
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