ものづくり精神の軽視
日本のクルマ産業は、血のにじむような努力の結果、高性能エンジンを含め、優秀なクルマを続々と出してきました。EV化がどんどん進めば、エンジンがらみで蓄積した高度な技術がすたれるばかりか、関連分野も合わせほぼ五五〇万人にものぼる就労者の一部は、転職や配置転換を余儀なくされてしまいます。
クルマ用の素材をつくる化学産業も、ガソリン車がらみの部門は大きな打撃を受けるはず。
政治家や官僚は、そのへんをどうお考えなのでしょうか?
本項を書くにあたっては 、ほんの少し面識のある加藤康子(こうこ)さんと、自動車のプロ池田直渡(なおと)・岡崎五朗両氏の快著『EV推進の罠』(ワニブックス、二〇二一)を参考にさせていただきました。心よりお礼申し上げます。

「気候変動・脱炭素」14のウソ』渡辺正著(丸善出版株式会社)