ウソ7
地球の気温は、大気のCO2濃度が決めてきた
【事実】
気温とCO2の因果関係は、まだよくわかっていない。長い地球史のうちCO2濃度が気温を決めた時代はほとんどない。
終戦の少しあとから約七〇年間は、たまたま、人間の出すCO2が増え、気温もだいたい上がり続けました。でも、「増えるCO2が気温を上げた」とは限りません。
大気は約三兆トンのCO2を含む―――とホントの章に書きました。実のところCO2は、ほんの少し変身した姿で、海水にもたっぷり溶けています。九八%は深海(二〇〇メートル以深)ですが、残りは浅い水中にある。なにしろ量が多いため、割合はわずか二%でも重さなら大気中より多く、四兆トンに迫るのです。
ご存じのとおり、水温が高いほど、気体は水に溶けにくい。前章に紹介した「世界の海水準トレンド」から、過去一五〇年以上、海水温はほぼ 直線的に上がってきたと推定できます。水温が上がれば、水から出てきたCO2が、大気中の濃度を上げますね。
つまり、「CO2増加⇒気温上昇」のほか、「気温上昇(自然変動)⇒CO2増加」の因果関係もありうるのです。つい最近、図1の濃度上昇は八割以上がその結果、と断じた人もいます★。

Why is the CO₂ Concentration Rising?
それが確かなら、温暖化対策(後編)もたちまち意味を失うでしょう。
気候変動・脱炭素」14のウソ』渡辺正著(丸善出版株式会社)