島国が水没?
年暮れ近くのCOP(ウソ10)では、温暖化のせいで水没の危機にあると島国が訴え、大量のCO2を出す先進国に補償を要求するシーンが定番になりました。けれど潮位データを見れば、言いがかりにすぎないとわかります。名高い島国二つの現実を眺めましょう。
●ツバル
南太平洋に浮かぶ珊瑚礁の島ツバルでは一九九三年から、首都フナフティにオーストラリア政府が設置した潮位計で、海水準を測ってきました。
測定の結果は、イギリスのNOC(前項)へ情報を提供するNPO法人のサイト★にあります(略称のPSMSLでネット検索すれば見つかる)。年ごとの上下動は激しいものの、ほぼ三〇年間の海面上昇は、年率にして(「世界」に近い)約二ミリメートルでした。つまりツバルの海面上昇は、「異状なし」というべきでしょう。

ちなみに、PSMSLのサイトを訪ねると、一九世紀の中期(日本の幕末)からほぼ直線的な(CO2の大量排出と関係ない)海面上昇を示す場所が、次々と見つかります。
ニュージーランドの研究者が、一九七一~二〇一四年の航空写真と衛星観測情報からツバル国土面積の推移を見積もって、二〇一八年の『ネイチャー』誌に発表しました。それによると国土面積は、サンゴが育つせいもあり、四四年間に三%ほど増加しています。
●モルディブ
インド洋に浮かぶ島モルディブの首長も、水没の危機を訴えてきました。PSMSLのサイトにある首都マレの海水準グラフ(一九八九年~)から、海面上昇の年率はツバルより大きく、三~四ミリメートルと読みとれます。
CO2のせい……でしょうか?
「モルディブ マレ 画像」をキーワードに、ネット検索してみてください。小さな島に高層ビルが密集した、生け花で使う剣山のような大都会が出現します。コンクリートと鉄をどんどん載せれば地盤が沈み、見かけの海水準が上がるのは当然です。そんなふうに海面上昇は、どうみてもCO2のせいではありません。
気候変動・脱炭素」14のウソ』渡辺正著(丸善出版株式会社)