参考にした三つのデータ

三種類のデータから、過去およそ三〇年間の気温変化を見積もりましょう。グラフの類は本文に掲げないため(一部を コード化)、できるだけわかりやすい数字を使います。

●権威ある(?)地上気温グラフ●

名の知れた組織がつくり、温暖化の記事などにしじゅう使われ、読者が何度も目にしたはずのグラフです。

アメリカの海洋大気庁(NOAA)に

属す国立環境情報センター(NCEI)と、

航空宇宙局(NASA)に属す

ゴダード宇宙科学研究所(GISS)、

英国気象庁がイーストアングリア大学に設けた気候研究ユニット(CRU

以上の三組織が、データの収集・整理やグラフ作成に当たります。
なお、いろいろな組織名の略号を「うるさい」とお感じの読者もおられましょうが、ネットの情報源を当たりたいときに役立ちますよ。
さて、気温の元データを提供する各国の気象庁と、NCEI、GISS、CRUがお互いどのような関係にあるのかは、左(下)のように表せます。

① 各国の気象庁が測定してきた気温のデータ(国によっては補正してから送付)
              👇
              👇
② NCEI(いわば総本山。気温データを補正してから公開)
(補正後の結果を、GISSとCRUに伝達)
              👇
              👇
③ GISS(独自の補正をしてから公開)(★1)
              👇
              👇
④ CRU(独自の補正をしてから公開)

★1Station Data
②や③、④がまとめた結果は、ウソ8とウソ10で詳しく紹介する国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)がグラフ化し、五~七年ごとに出す四分冊の報告書(計三〇〇〇ページ以上)に掲載します。国連を「権威」とみる人たちが、それを書籍や記事に使う結果、読者の目にも触れてきたわけです。
最新のグラフは、IPCCの第六次報告書(二〇一二年八月)に載りました。(★2)

★2過去三〇年間の温度上昇

グラフから、過去三〇年間の温度上昇はおよそ〇・六℃と読み取れます。
けれど私は 、その「〇・六℃」を信用しません。最大の理由は、前ページに何度か書いた「補正」です。「危険な温暖化」説を疑う人たちが小細工(マニピュレーション)や捏造(ファブリケーション)とからかう「データいじり」のことでした。
太平洋戦争の終盤に日本の軍部は、戦果を何倍にも水増しして語り、失敗は隠し、撤退を「転進」と呼び、それを大新聞とラジオが国民に伝えました。いわゆる大本営発表ですね。
IPCCの報告書も大本営発表にそっくりというのが、この分野を二〇年以上ウォッチしてきた私自身の感想です。いったいなぜ関係者がそんなことをしてきたのかは、「補正」のこまかい中身も含め、本書前編のウソ2,7と後編のウソ8,9で紹介します。

『「気候変動・脱炭素」14のウソ』渡辺正著(丸善出版株式会社)
(ブログ作者注:情報を辿れば、様々な疑問点が生じてきます。英国イーストアングリア大学により設置された独立レビュー組織による「クライメートゲート事件」レビュー結果の公表