次に、大運干支の出し方を説明することにする。
大運干支は、極限寿命120歳という一生の中での四季の巡りに対応するもので、四柱八字の月干支をその始点とする。つまり、
●大運干支は、その人の四柱八字の月干支がその始点となり、順次巡る。
また、大運の巡りには、性差があって、男性と女性では巡る方向が逆になる。その巡る方向は年の干支の陰陽に左右される。つまり、
●男性の場合
年干支が陽であれば、干支の順に巡る。
年干支が陰であれば、逆に巡る。
●女性の場合
年干支が陰であれば、干支の順に巡る。年干支が陽であれば、逆に巡る。
と定義されている。この大運の巡りに順逆がある原理についての説明は見かけたことがなく、その理由は不明であるが、陰陽五行論における「陽男陰女」の考えにもとづいていると考えるのが妥当であろう。
新井康允著「ここまでわかった―女の脳・男の脳」(講談社刊)によると、最近、体内時計に性差があることが発見されたそうである。
大運の順逆が時間経過に対する性差に何らかの関わりがあるであろうとは推測されるが、答えは今後の研究に待つしかない。
次は前掲の平成17年(2005)10月15日午後8時生まれの四柱八字である。この四柱八字の大運干支を出してみることにする。出生地を東京都新宿区あたりとすると、真太陽時は午後8時33分頃となる。

年 乙 酉( 辛 )
月 丙 戌( 辛 )
日 壬 申( 庚 )
時 庚 戌( 戊 )

この四柱八字を男性のものとすると、年干支は乙酉で、陰であるから、大運は月干支の丙戌から逆に、乙酉、甲申‥‥と巡ることになる。大運の干支を列記すると次のようになる。
《男性の場合》
月干支 丙戌
乙酉
甲申
癸未
壬午
辛巳
庚辰
女性の四柱八字とすると、年干支が陰であるので、月干支丙戌から順に次のように巡ることになる。
〈女性の場合〉
月干支 丙戌
丁亥
戊子
己丑
庚寅
辛卯
壬辰
「四柱推命学入門」小山内彰 (希林館)より